私のお隣さん (ページ11)

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今日は1人で呑みに来た

なんだか誰かと呑む気分にはなれなかった

初めて入った小さなBAR

ゆっくりとお酒を喉に通す

今朝の松村は何がしたかったのだろう

会社ではいつも通り仕事をしていた松村だが

私は動揺で仕事に手が付かなかった

私はどうしたら良かったのだろうか

頭を抱えてため息をつく

prrrr... prrrr...

スマホのディスプレイに映った名前に

息を呑む

ここは、無視をするべきか出るべきか、

電話が切られ、メッセージが届く

" 無視すんな "

また、着信音が鳴る

出るしかないじゃんか、

『 … もしもし』

" … よっ "

『 … 』

無言の時間が続いて、

なんだか居心地が悪い

何か用があるんだろうから

彼が口を開くまで待つことに。

" あのさ、 "

「うん、」

" 朝のこと、気にしてる？ "

「はい、とても」

" 正直だな "

「いつもだけど」

いつも通りの雰囲気になって

会話が弾む

やっぱり呑む時は松村が居ないと。

" 俺、お前のこと好きだから "

『私も好きだよ笑』

グラスに入ったお酒を一気に呑み

彼が急に気持ち悪いことを言うから

私も思ったことを言うと

" 俺とお前の「好き」は違う "

『ん？どうゆうこと？』

" だからぁ、 "

声を少し荒らげる松村

" 俺は、お前に恋愛感情があるの "

" 誰にでもあんな事しない "

真っ直ぐな声が耳に届く

馬鹿な私でも、理解は出来た

彼の言葉の意味も

何を伝えたかったのかも

ちゃんと理解出来た

だけど、胸の鼓動は大きく、強く

鳴り続けるばかり。

やっと落ち着いた頃には、

スマホの光は消えていた

『すみません、強めのお酒ください』

全然気付かなかった

松村が私にそんな気持ちを抱いていたのも

頭の整理がつかないまま

私はBARで頭を抱え続けた