初恋のはなし 2 (ページ9)

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誕生日のはなし 1 ページ9

彼氏の誕生日をまさか、Wikipediaで知ると思わなかった。
確かに、今まで誕生日がいつかなんて話したこともなかったし、私もそういえば言ってないし、聞かれないと思う。
そんなに大切なこと、今まで気づかなかったこともショックだけど、まさかWikipediaに教えてもらうことになるなんて。
しかも、約3週間前に終わってるし！！
なんで拳さん、言ってくれなかったの？？
知らないうちに終わってたとか…彼女失格じゃん。

たまたま友達のまゆこちゃんと予定があったから、大学の図書館で少し勉強して、大学の近くの良く行くカフェでランチをした。
久しぶりにまゆこちゃんとランチできて、他愛もない話でもすごく楽しかったのに、天国から地獄とはこのこと。

「ねえ、福良さん、すごいね！見て、Wikipediaまであるよ！！」
『えっ、そうなの？拳さん、すごい。芸能人じゃん！！どれ？』

なんて、興味本位でまゆこちゃんが教えてくれたサイトを開いて、上から読んでいくと…。

『誕生日…8月7日…。8月！！！7日！！？』
「え？A、知らなかったの？つい最近だけど…」
『…知らなかった。嘘でしょ…』

そんなことがあったのは昨日。
今日は、携帯の画面とにらめっこ。
何をしてるかって？短期のバイトを探してるんだよ！
知らなかったからで、このまま何もしないまま済ませるなんて出来ないし、そんなの自分が許せない。
誕生日は過ぎちゃったかもしれないけど、ちゃんとお祝いしたいの。
そのためには、まずプレゼントを買うお金を稼がなくちゃ。
とは言っても、実は(実はでもないかもしれないけど)バイトってしたことがなくて、一応『短期バイト』で検索して調べてるんだけど、どれがいいのか分からない。
家庭教師とか、カフェの定員さんとかが良いのかもしれないけど、今は出来るだけ早くお金稼ぎたい。
でも、自分に何が出来るのか分からない…と、思っていると、1つの募集要項を発見した。

『カフェのチラシ、ティッシュ配り短期OK』

これなら、Aにも出来るかも！！！
思い立ったら吉日！！直ぐに電話してみよう！