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電車を乗り継いで、しばらく歩くと、お目当てのお店が見えてくる。
こりゃ、1人では来れないなぁ。迷子になっちゃう。

『拳さん!ここですよ!』

手を引っ張られて、お店の中に案内される。
わ、すっごくオシャレなお店。A、よく見つけたね。
革製品の小物や、カバン、ベルトなんかも売っていて、しかも全て本革や、クロコダイルを使っているから、結構いいお値段。
これを買うって決めてたから、バイトすることにしたんだね。
バイトの内容は、今でもどうかと思うけど、でも、俺の為ってのはやっぱり嬉しいね。

『A、センスいいね。Aがプレゼントしてくれた色、1番好きかも』
『ほんと、嬉しい!でも、値段は…見ちゃ、だめっ。この中では、お安いやつ、だから…』

恥ずかしそうにそう言うけど、学生のAが万以上の物を買うこと自体大変なことでしょ。
ほんとに頑張ってくれたんだね。

『何言ってるの。充分高いでしょ。バイトしなきゃ買えないくらいなんだから。嬉しいけど、もう無理しちゃだめだからね。特に、あのバイトは――』
『もう!!わかってるから』

ついつい小言を言おうとしたら、Aに遮られちゃった。
やっぱり、7歳差もあると、どうしても幼く見えちゃうというか、子供みたいに見えちゃう時があるんだよね。Aだからか?
A、見た目も、行動も、子供っぽいもんなぁ。

つい思考が脱線してしまいそうだったので、話を戻して。

『A、このピンクの本革可愛くない?』
『それ!!めっちゃ可愛い!この中でAが選ぶなら、この色にするー!』

うん、そうだろうねぇ。
Aの部屋、ピンクばっかりだし、服もピンク多いもんね。

『A、ちょっと自分用見て回りたいから、Aも好きなとこ見てていいよ』
『はーい!了解です!』

よし。Aが色々見て回っているうちに、店員さんに、欲しいものを伝えてプレゼント用に包んでもらう。
そのなかに、渡したいものも忍ばせて。
とりあえず、Aには何を買ったかバレなかったかな。

「ありがとうございました!」

店員さんから、紙袋を受け取って、Aの元へ。

『A、ありがとう!』
『他のもの買ったんですか?』
『そう!他のも可愛かったからついね』
『拳さんにも、気に入って貰えて良かったぁ!』

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作者名:奈絆 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年9月19日 22時

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