初恋のはなし 2 (ページ23)

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これ以上怒らせたり呆れられちゃう前に、ちゃんと謝ったほうがいい、よね。
Aがわるいんだもん、ね…。
ホントのこと知られちゃうの怖いけど…もう別れようって言われちゃうかも…っ…しれないけど…辛いけど…逃げてちゃ、だめ、だもんね。

意を決して、着信ボタンを押す。

『…けんさ――』
『A！！！もう、やっと出た！！！ほんとにこんな時間まで何やってるの！お利口に待っててって言ったのに…もう、ほんとにこの子は…』

電話口から聞こえる拳さんの声…やっぱり、好き。
大好き…。
お別れ、したくないよぉ…。

またグズグズと涙が溢れてくる。

『拳さんっ…けん、しゃん…ううぅぅ…』
『もう、また泣いてるの？ほんとに泣き虫。迎えに行ってあげるから、今どこにいるの？』
『…っ…駅の近くの…こうえん…ですっ…』
『はぁぁ！？すぐそこの公園？そんな所にいてなんで帰ってこないの。もう、危ないでしょ。今すぐ行くから待ってて』

拳さんとの着信が切れる。
ベンチに座って、グズグズしていると、すぐに『A！』と後ろから声を掛けられた。

『…はぁ。いた。ほんとに、こんな所で何やってるの。心配するでしょ？』

拳さんがAの前に腰を落として、目線をあわせてくれる。
大好きな、拳さん…。

『…拳さんっ…けんさんっ…大好き、です…だから…お別れ…したくないよぉ…ふぇぇん…』
『ちょっとまって。まって。A、浮気疑ってたこと気にしてるの？そんなの、もう怒ってないし、それだけで別れるわけないでしょ？』
『違うのっ…それだけ、じゃないの…。A…が、悪いの。あの…拳さんじゃない人に…っ…』

言葉に詰まる。
したくなかった…全部、拳さんとが良かったよ。
だって、拳さんしか好きじゃないもん。

『ん？』
『…大学の人に…キス、されちゃった…の。』
『…はぁ！？どういうこと？』

拳さん、呆れて怒ってる。
そりゃ、そうだよね。