初恋のはなし 2 (ページ3)

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午前中はのんびり家で過ごして、ランチの時間に外へ。
午後からは、Aが見たいけど試験まで我慢していたと言う、アニメの映画を見に行ったり、行ってみたいと言っていた謎解きに一緒に行ったり、久しぶりの外出デートを楽しんだ。
幸い、今日は1日フリーだったから、試験お疲れ様デートが無事に出来て良かった。
Aも、楽しい楽しいって無邪気にはしゃいでくれて、こっちも嬉しくなっちゃう。
かなりインドアで、行くとすれば、脱出ゲームに行くくらいだからね。たまには、こういうデートもいいね。

『拳さんっ…』

名前を呼ばると同時に、Aの方からぎゅーと手を繋いでくれる。
前はそれすらも恥ずかしがってたのにね。
それに、体を繋げることが出来ると、今まで以上に愛しさが増して、『俺の彼女、こんなに可愛かったっけ』と、惚気てしまう。
あぶない、顔に出るところだった。

『…拳、さん？』

首も傾げながら、『大丈夫ですか？』なんて見つめられると、うん、もう可愛いね。
Aは普通の女の子よりも小柄だから、自然と上目遣いで見上げられて、それだけでドキドキしてしまうのは、秘密だ。

『そろそろ暗くなってきたし、帰ろっか。夜、どうする？』
『あの…今日はAがご馳走様します！！家に来てください！』

珍しく、Aがご飯を作ってくれるらしい。
この間のチャーハン以来だね。

『わーい。ありがとう！』

ぎゅーと手を繋いだまま、帰路につく。

『あの…ちょっとかかるので…テレビでも見て、待っててください』
『はーい！』

そのまま、Aの部屋に上がり込んで、ピンク色のローソファーでくつろぐ。
テレビを付けてみたけど、たいしていいのがやっていないので、なかなか見られないAの料理姿を堪能する。
今日は俺の為に、カレーを作ってくれるらしい。
可愛いピンクのエプロンを付けて、せっせと玉ねぎを切って、鍋に入れていく。
かなりたどたどしい手つきだけど、それすらも可愛いって思っちゃう。
俺のためってのがいいよね。