初恋のはなし 2 (ページ17)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:18,682 hit

9 ページ17

『大丈夫？』
『あの…けんしゃんっ…昨日は、意地はって…言うこと聞けなくて…ごめんなさい。あの、A、これ、買いたかったの。』

そっと持っていた、オシャレな箱を拳さんにわたす。

『…これ…』
『あの…誕生日、おめでとうございます。A、知らなくて、当日お祝い出来なくて…ごめんなさい。』
『まさか、俺のプレゼント買うために、バイトしてたの？』
『……はぃっ…サプライズしたかったから…言えなくて…でも、あんなバイトで買ったプレゼント…いらないですよね…』
『…A、ごめんね。昨日はあんは酷いことしちゃってごめん』

拳さんが手首をもって、赤くなった手首をさすってくれる。

『プレゼント、もらってもいい？Aからのプレゼント、嬉しい！みてもいい？』
『っ！はいっ！』

拳さんに手を引かれて、一緒にソファーに座る。

『わ！！これ、名刺入れ？』
『あ、そうです。ちょうどまゆこちゃんとお買い物してたら、オシャレな革製品のお店を見つけて…。迷ったんですけど…使えるかなと思って。』
『ありがとう！……A、俺の為にバイトしてくれてたのに、怒って、ごめんね。』

拳さんがぎゅっと抱きしめてくれて、やっと安心できて、そっと背中に手を回す。

『でも、あんなえっちなバイトはして欲しくないなぁ。あんな可愛い姿のA、他の人に見られたくない。』
『はい。もう、しません。でも、拳さん、そんな風に思ってくれてたの？』
『ごめんね。嫉妬、しちゃったね』
『…嫉妬、うれしいです。』
『ははっ！なにそれ、でも、もう嫉妬させないでほしいなぁ…また酷くしちゃうかも』

冗談みたいに、はははっと笑いながら言ってるけど、目が笑ってないよー！！

『でも…A、拳さんなら、何されても嬉しいですよ。嫉妬も…酷いことも…嬉しいです。拳さんも、そんなことするのAだけにしてくださいね。Aも嫉妬しちゃいますよ』
『もう。可愛いこと言わないの。そんなの、Aだけに決まってるでしょ？』

へへっとお互い笑い合う。
仲直り出来て、プレゼントも渡せて良かったぁ！！
あ、そうだ！

『拳さん！！Aの部屋来てください！！ケーキと、ご飯用意してあるんですよ！』
『わ、それは、嬉しい！じゃあ、お邪魔するね』

それから、Aの部屋で3週間遅れの、拳さんの誕生日パーティーをした。

拳さん、お誕生日、おめでとうございます！
これからも、ずっとずっと大好きですよ。