初恋のはなし

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Aとハジメテの約束を取り付けることに成功して、年甲斐もなく、実はめちゃくちゃテンションが上がっている。
めっちゃ嬉しいんだけど。
だって、今まで頑張って我慢して、Aがそういう気持ちになってくれるのを待ってたんだから。


『福良さん、なんかいい事あったんですか？』
『えっ！？伊沢っ！いつの間にそこにいたの！』

急に後ろから話しかけられて、びっくりしてしまう。

『ずっといたんですけど…福良さん、今日ずっとにやにやしてますよ？』

しまった…顔に出てたか。
心の内だけで、留めておこうと思ってたのに、人の気持ちにあまり敏感ではない伊沢にまでダダ漏れだったとわ。
気をつけないと。

『ごめん、なんでもないから気にしないで？』

そう言って誤魔化そうとすると、後ろからふらっと河村が

『ふーくら。可愛い彼女とは順調なのかい？』

なんてことを言うもんだから、たまったもんじゃない。

『っ！！ちょ、河村！！』

めんどくさくなるに決まってるんだから、Aのことは黙ってるつもりだったのに！

『別に隠すことじゃないでしょ？』

なんて言いながら、またふらーと立ち去って行く河村を睨む。
爆弾投下していなくなるとか…以前、河村に相談したのが間違いだった。

『ちょ！ちょ！！福良さん！彼女出来たんですか！！ちょっと詳しくっ！！』

河村のせいで、根掘り葉掘り聞かれちゃったじゃん。
今日に限って、動画メンバーみんないるし、山本も、こうちゃんも、須貝さんまで興味津々だし。

『あかん、尊い…8年間も好きでいてくれるとか、やばいやん！』
『そんないい子が福良さんの彼女って…』
『今度会わせてくださいよー！』

高校生並みのテンションで聞かれまくって、もう俺はぐったりだよ。

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