初恋のはなし

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どうしよう…A、体、おかしくなっちゃったかも。
最近、拳さんと、ちゅーしたり、ぎゅーしたりすると…今までのドキドキとは違う。お腹が痛くなるような…足がガクガクしちゃうような…違うドキドキなの。
それに…もっと、拳さんに…してほしいって…思っちゃうの。
もっと触って欲しいって。

これっておかしいのかな？
A、はしたない子になっちゃったのかな…。




fkr side


今日はあと一本、YouTube用の動画を撮ったらおしまい。
早く帰れそう。
Aはもうすぐテスト週間になるらしく、授業もあんまりない日があって、最近は家にいることが多いって言ってたなぁ。
勉強のために図書館に行くこともあるみたいだけど…。
そういう時に、遊びに行ったりしないのがAらしい。
俺の予想だけど、そろそろ相変わらずの寂しい病になるような気がするなぁ…今日水曜日だし。金曜日まで我慢できるかなぁ…

なんて、つい仕事中もAのことを考えてしまう。
俺の方がAに夢中になってたりして…ははっと自重気味に笑うと、ブブブッとスマホが震えている。
もしかして…あ、やっぱり。

スマホを持って、廊下へ出る。

『A、どうしたの？こんな時間に』
「あっ…拳さんだぁ、…っ…ごめんなさい、仕事だって分かってたんですけど…っ…」
『…寂しくなっちゃったの？』
「…はぃっ…ごめ、なさいっ、」

俺の予想通り、だね。
前に、玄関の前で泣いて待ってるくらいだったら電話してって言っておいたからね。
電話出来てえらいえらい。

『なんで謝るの？Aがちゃんと電話くれて嬉しいよ！前にも、寂しくなる前に連絡してって言ったでしょ？』
「はいっ…拳さんっ！声だけでも聞けて嬉しいです。」

俺も、なんだか元気出たかも。
ラストの動画も、頑張れそう。

『…今日、あと少しで帰れそうだから、帰ったらAん家行くね。ギューしに行ってあげる。』

そう言うと、電話口からでもAの機嫌が良くなるのが分かる。
ほんとに感情が素直に出て、分かりやすくて可愛いな。

『嬉しいですっ！…でも、いいの？こんなに会いたいばっかりの彼女、うざくない？』
『なんで？可愛いよ。そろそろ仕事戻るね。また後で』

よーし！ラスト1本、動画撮影頑張りますか！

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