夢野久作×かごめ部屋 ページ11
僕は夢野久作!
森さんが外に出してくれたから、楽しくお散歩していたんだけど……
「此処、どこだろ?」
変な建物に入っちゃったみたい。
なんだろう、この部屋。
絵本で見た「保育園」ってところみたいだなぁ。
「あんた、誰?」
「え?僕?」
後ろから声をかけられ、振り向いた。
そこには、僕よりも背の低い子たちがいた。全部で四人いるみたい。
ぽんやり考えていると、一人の男の子が叫んできた。
「誰なんだよ、教えろよ」
「僕は夢野久作。よろしくね☆」
「ゆめの?誰か知ってる?」
「知らなァ〜い」
男の子と女の子が、口々に云っている。
それを制するように、リーダー格らしい女の子が口を開く。
「……まあいいわ。それよりあなた、私たちと遊びましょ」
「遊ぶの!?うん、善いよ!遊ぶの大好き!」
僕が明るく答えると、目の前の子が手を引いてくる。
「さ、早く早く。輪の中に入って」
「判った!」
座った僕が、四人にぐるりと取り囲まれるかんじ。
「かごめかごめ」をするのかな?
「今から僕たちの名前を云っていくから、ちゃんと覚えてね」
「うん☆」
「僕の名前はひろと。ひろとです」
「ももかはねェ〜、ももかだよぉ〜♪」
「わたしの名前はみお、よ」
「最後に、オレがゆうき」
「……よし、覚えた!」
ぐるりと顔を確認してから、顔を伏せる。
「じゃあ、始めるぞ!……せーのっ!」
聞こえてくるのは、四人の歌声と足音だけ。
「「「「かァーごーめーかーごーめー♪」」」」
この歌、大好きな歌なんだ。
「「「「かーごのなーかのとーりィはー♪」」」」
「……バーカ」
……今、何か違う言葉が聞こえた。
「「「「いーつぅいーつぅでーやァるー♪」」」」
「……死ね」
「……え?」
今のは……
「ねぇ、さっきの、だれ……うわっ!?」
「ダメじゃない、ちゃんと下を向いてないと」
僕がつい顔を上げてしまったせいで、誰かに頭を掴まれて、無理矢理下を向けさせられた。
……痛かった。
「「「「よーあーけーのーばーんにー♪」」」」
「死んじゃえ♪」
何もなかったかのように、歌は進んでいく。
「「「「つーるとかーめがすーべったァー♪」」」」
「バーカ」
なんで、僕がそんなこと云われなきゃいけないの?
「「「「♪うしろのしょーめん、だーぁれ?」」」」
歌が止まった。
後ろの正面、……誰なの?
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エリジャ(プロフ) - キューブさん、こんにちは。この度はイベント参加ありがとうございます!!!これ、文ストのですよね?すごく面白かったです!!更新頑張ってくださいね!改めましてありがとうございましたっ!! (2017年4月25日 21時) (レス) id: 3c22eecada (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月6日 9時