57予定変更者 ページ17
『なんで謝るの?』
「それはキミを組織に連れて」
『謝るくらいなら最初から連れて来ないで』
大袈裟に目線だけふいっと彼から逸らす。
別にこれくらいしたって許されるでしょう。
私、気絶させられてまで連れてこられたんですから。
「警戒してないとなると…意図は伝わってたか」
『そりゃあんなに大胆なとこに盗聴器付けられてりゃね』
「それなら話は早い。とりあえずキミはここで捕まって殺される寸前の芝居でもうっといてくれ」
『は?』
組織に戻るからにはそれなりの覚悟はしていた。
しかし、彼の要求するそれはほんとに一歩間違えたら死ぬレベルのことだ。
「聞こえなかったのか。そこで赤井Aを演じてろといっ」
『聞こえてるよ』
「だったら今は何も聞かず、僕に従ってくれ。何がなんでもキミのことは僕が守る」
『…分かった』
真っ直ぐな瞳にそう言う。
すると降谷零がポケットから何か取り出す。
『飴…』
「これでも舐めて少しは疲労をとってろ」
ポイと口に放り込むと何か気配を感じ取ったのか扉口をじっと見つめる。
しばらくして、ガチャっと音がしてガララララと重圧な音に惑わされていると
「待たせたな」
すっごい久方ぶりに見た気がする幼なじみがそこにいた。
…私は面倒なので突っ込みません。
私が突っ込まなくても
「赤井?お前なんでこんな所にいるんだ」
彼が突っ込むんで。
「なぜって、それはあの坊やにAが捕まったと連絡が入ってな」
「いやだからって早すぎるだろ?!ここ日本だぞ?お前がいたのはアメリカだったはずだが!」
「……まぁ、いいじゃないかそれはそれで」
秀くんのあの間、何か言いかけて諦めたようだったけど、とりあえずさ。
「赤井さん大丈夫ですか!」
「あぁ、問題ない。それよりキャメル…」
誰か私の縄解けよ!
そんな心の声をガン無視するみなさん。(聞こえるわけない)
「すまないA。少々うるさいが我慢してくれ」
「うるさくなるのは、予定を変更している誰かさんのせいだけどな」
2人が構えるとぞろぞろと倉庫に人が押し入ってくる。
その最後尾には当然ジンがいた。
「ライにバーボン…か。2人まとめてその女も一緒に始末してやるよ」
「ジン。お前の目は節穴にでもなったのか?この倉庫は既にFBIが囲んでるぞ」
「日本警察もあと1分もしないうちに到着するがな」
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作者名:星香 | 作成日時:2019年6月3日 15時