Secret×Secret【安室透/降谷零】 (ページ38)

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３８なんでこうなったページ38

聞いてない。

『安室さん』

「なんですか？」

『私、今からでも秀くんのとこ行ってもいいですか？』

私の部屋が既に引き払われて、荷物が安室さん家にただいま移動中とか聞いてない。

「おやおや？そんなに僕の家は居心地が悪かったですかね？貴方の部屋と間取りも同じですし、この前泊まって頂いた時もそれは安らかな寝顔だったはず」

『寝顔見たんですか？！』

「えぇ、でも運んでいた時から見えてましたし今更気にすることは」

『気にします』

いったいレディの寝顔をなんだと思ってるんだこの人は。

そうぷりぷり怒っていたら

「仲のいいご夫婦ですね」

と引っ越し業者の人に声をかけられる。

『ご夫婦？』

「夫婦に見えるなら恋人にも見えてるってことで安心ですね」

どちらも別の感想をお持ちのようだが、なんでそうもこの人は肯定的なんですかね。

これこそ、あれれー？可笑しいぞ？と言いたい。

まぁ、組織に潜入していた人間が組織の一員と一緒に生活するっていうとこから可笑しいよね。

「納得いかないって顔ですね」

『へ？』

まさかまたもや心でも読まれたのか？！

「でもここの部屋が一番日当たりがいいので、ここにしたんですが気に入りませんでした？」

なんとも斜め上な回答に絶句する。

私立探偵。ほんとにそれでいいのか。
今のとこ読み取れなくていいのか？

こちとら読み取られなくて助かったけどさ。

『部屋に不満なんてありませんよ。ここに居候させてもらう身だし』

「そうですか？でも、居候というよりは同棲と言ってもらいたいとこですね」

…安室さんと私が同棲？

そりゃ、無職になったから安室さん家に脅しで引き取られたけど、これは居候という表現が正しいのでは？

「なんですかその顔。貴方と僕は恋人同士だというのに」

『あー、そういうことねっ…てなる訳ないよ』

「あ、そうそう。今度の貴方の勤め先はポアロになるので、ラフな服でも今度買い足しに行きますか？見たところ私服よりスーツが多いような」

『ちょっとお待ちなさい安室さんや。何勝手に人の、しかも女性の服を漁ってるの』

「すみません。クローゼットがつい目に入ってしまったものですから」

そう言うと安室さんはクローゼットを二三度コツンと叩くと、最後に一発メリッと音がした。