Secret×Secret【安室透/降谷零】 (ページ37)

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３７回避不可能ページ37

『話は終わったようなのでそろそろ家に帰りたいんですが』

「せっかく会えたのにもう帰るだなんてつれない人ですね」

せっかく会えたって言うほど会ってないわけじゃない。

たかが1日会わなかっただけだろうに大げさだ。

『…仕事が溜まってるんですよ』

皆さんお忘れでしょうが、私には小説家の仕事がお家で待ってます。
ここんとこ何かと振り回されてきたのでそろそろ〆切がヤバいです。
マジで。

「あぁ、小説家の仕事なら先程出版社の方へ出向いて契約解除してもらいましたので大丈夫ですよ」

『へ？』

なにそれ。
何も大丈夫じゃないよ？
なんの権限があってそんなことしてんすか？

私ってば無職？
どうやって生活するんですか！
教えて誰か。ねぇ！！

「ですので、貴方の選択肢は2つです」

『え、ちょっと何言ってんのかさっぱり』

「僕に着いてくるか、赤井のとこに戻るかどちらか選んでください」

にこやかに笑いながら究極の2択を迫られる。

え、これ回避ないの？

「また貴方の頭に銃口を押し付けるというのも芸がないので、今回は組織に連れ戻すで手を打ちましょう」

おっそろしいなこの人！

まず組織に戻るなんてジ・エンド。

秀くんのとこに戻るのもあんなこと言った手前無理。私のプライドが許さない。

こんなの消去法しかないじゃん。

『君、全部盗聴してたでしょ』

「さぁ、どうでしょう」

はい、確信犯ですね。

『…連れてけこのヤロー』

「あれ？可笑しいですね。僕のカノジョは透さんって呼ぶんですけど」

どっかで聞いたぞ。そのセリフ。

『まだその設定続いてるんですか？』

「もちろんですよ」

ふふっと笑って上機嫌な安室さんのツボをさ、誰か教えてくれない？

「そうと決まったら、あまりお待たせするのも悪いので少し飛ばしますよ」

『…安全運転でお願いします』

スピード違反にならない程度の速度で、どこかへ車を走らせる彼に

「僕は赤いものが嫌いですから、嫌でも反応しますので安心してください」

そう言われたことを左から右へ流した。

赤信号で止まるなんて当たり前でしょ？と思っていたからである。

なのにさ

「なんですかそれは」

と後々怒られるのは私が悪いんですかね…。