33ポアロの神出鬼没の小学生 ページ33
『な、なんですって』
「申し訳ありませんお客様。今日、安室さんはお休みなんです」
無事、赤井秀一から解放された私はポアロに来ていた。
ところがすっとこどっこい。
安室さんが居ないのであの美味しい美味しいサンドイッチが食べられないらしい。
くそぅ。安室さんめ。
胃袋を掴むだけ掴んでおいてお預けは酷くないですか?
「あの〜、サンドイッチはないんですが作り置きしてる半熟ケーキならお出しできますよ。こちらもサンドイッチに劣らず評判なんです」
『じゃあそれを1つお願いします』
「かしこまりました!」
そう言うとカウンターの奥へ引っ込んで行く女性。
たしか名前は梓さん。
とっても美人さんです。
安室さんと並ぶととても絵にな…
ズキン
へ?
なに今の?
なんで自分で思ったことに傷ついてんのよ私。
絆す側が絆されてるとか流石に笑えない。
「Aおねーさん?」
『こ、コナンくん。どうしてここに』
そんなことに気を取られていたらコナンくんが隣に座っていた。
なんで私の隣に座ったのかな?
席はいっぱい空いてるよコナンくん。
「おねーさんこそ、一人で来てどうしたの?今日、安室さんお休みだよ?」
『え?なんで安室さんのこと気にしてるの?コナンくん』
「えーだってこの前、安室さんにAおねーさんとのデートのお話いーっぱい聞かされたもん」
なんてこと喋ってくれてるんだ!!安室さん。
私、貴方に弱味を握られてるせいで何も反論出来ないんですがー!
うんでも、JKファンが一人もいなくて良かった…。
命拾いしたよ…。
「お待たせしましたー。半熟ケーキです」
1人で脳内奮闘をしていると、目の前に半熟ケーキを置く梓さんの笑顔が目に飛び込む。
あぁ、最大の癒しだぁ。
半熟ケーキを切り分けて、口の中に広がる甘みが私の脳内の疲れを取ってくれる。
そしてやっぱり美味しい。
「ねぇ、お姉さんはこの前さ、工藤さんって人の家に出入りしてたけど昴さんと知り合いなの?」
半熟ケーキに夢中だった私に声をかけるコナンくん。
そう言えば、コナンくんって私の正体を知りたがってたような…。
そんでもって確か安室さんと私の様子を伺っていたような…。
あまりの忙しさに忘れかけてたことを思い出させる。
思えばこの子、危険人物だったわ…。
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作者名:星香 | 作成日時:2019年5月8日 17時