Secret×Secret【安室透/降谷零】 (ページ29)

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２９赤井秀一と私ページ29

「キーケース？そんな物は家にはなかったぞ？」

家に招き入れながら、阿笠博士は言った。

それは可笑しい。
カードキーは持ち出したのは確認しているし、荷物を漁ったのはここだけだ。

そう思ってソファにドカッと座ると

「もうちょっと女性らしい動きをしないと、安室くんに女として見てもらえんぞ？」

気配を消し去っていた沖矢昴こと赤井秀一がいた。

この人まさか博士の家に毎日いるの？
大学院生なのに何してるんだこの人。

と昨日の私なら思ってた。

このパターン前にもどこかで聞いたって？

仕方ないでしょ？パターン化してるんだから。

ｷｯと目の前の男を睨むとそんな私を気遣ってか

「昨日のこと怒ってるのか？」

そんなことを言う彼に余計に腹が立った。

腹が立つあまりに右手で作った拳が力が強すぎて爪が手に食い込む。

「本当は俺がこう言った理由についてお前は気づいてるだろ？」

そんな話をしにここに来たんじゃないと叫びたいところだが、博士がおどおどしていたので自重した。

『…えぇ、分かってるわよ。秀くんはあの子を守らなきゃいけない。2人も同時に見守るのは無理だから、そろそろ私はお荷物ってとこかしら？』

それでも皮肉めいた言葉は酷く傷ついた心では止められなかった。

それを聞いた秀くんはと言うと、緑色の瞳を完全に見開き変声機を切る仕草をする。

そうして

「バカな冗談はやめろ。本当にお荷物なら変声機なんかとりあげないで放っておくし、わざわざ話を聞く為だけに家にあげたりせず適当な店で待ち合わせするさ」

怒ったような口調で真っ直ぐ私を見て彼は言う。

さすがにお荷物発言には怒ったようだった。

じゃあどうしてここまで怒るのか。

『明美さんにでも言われたの？"幼馴染"を大事にしてねって』

腐れ縁みたいなものだから。

それが1番妥当だと思われる。

しかし、首を横に振った彼。

『え…他に理由なんて』

「この場合はたいてい相手のことが好きって相場が決まってるんだが、やっぱり鈍感だったのか…」

やや耳を疑うような発言に困惑する。

誰か爆弾発言をする赤井秀一を止めてくれませんかね…。