24私の言い分 ページ24
前言撤回させてください。
「おや、もう限界ですか?」
『むーり…れすよ?』
呂律が回らないほど飲んでしまった。
いや、これには理由というやつがありましてね?
店のカウンターに座った瞬間。
「飲み比べしませんか?」
とか言った彼に
『…。いいですよ』
と返事した私がバカでした。
だーれがここまでお酒強いとか予想してたと思う?
予想外の規格外だわ。
「では僕の勝ちってことで」
そう言ってまだ飲む彼は本当に人間なのでしょうか?
まぁでも彼が人間かなんてどうでもいいです。
『あむろさーん、そろそろ話聞いてくらさいよ〜』
机をバシバシたたいて訴える。
なんで酔う前に話さなかったんだと思ったそこの君。
話そうにも違う話を持ちかけらていて、話せなかったんや…。
その大体はどーでもいい世間話なんだけど…内容が1つも思い出せないのは重症だわ。
「あぁ…!そうでしたね」
お酒を飲んでいた手が止まると、思い出したような顔をしたよこの人。
ほんとに忘れてたんかい?君。
まぁいいやと勝手に脳内処理をしてから彼に話す。
『きょーね、じょーしに仕事クビにされたの』
なんかいろいろオブラートに包みすぎている気もするが、間違ってはいないはず。
「なるほど。でも貴方の仕事は雑誌の記者…でしたよね?それなら今日じゃなくて数日前に辞められていますよね?」
…あー。
そうだった。
この人、私のこと知ってるんだっけ?
てかなんでここ最近の情報持ってるの?
と、酔っていない私なら考えました。
しかし、私は今酔っ払いなので
『そっちじゃなくて、FBIの方なの』
理性とかないです。
口封じしてくれる人いないってやばいんだね。
お酒でこーんなに口が軽くなっちゃうんだもん。
こりゃFBIやめろ言われても仕方ないかなぁ。
自嘲気味に笑いながら彼に視線を向けると何故か4つ目を見開いていた。
あれ?安室さんって分身できるの?
やっぱり人間じゃなかったんだねー。
そんな私を他所に、1人言をぶつぶつと唱える彼の中に赤井とか言う単語が混じってた気がしなくもないが、そんなの知らない。
分かんない。
だって私、酔っ払いですから。
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作者名:星香 | 作成日時:2019年5月8日 17時