20私の過去 ページ20
私にはFBI捜査官だった時期がある。
その時私はこの赤井秀一こと別名…諸星大と一緒に黒の組織というとこに潜入していた。
一応言っておく。
私は黒の組織に進んで潜入したのではない。
諸星大とかいうやつに
「お前も来い」
とだけ言われ謎の変装マスクを渡されて引きづられてきたようなものだった。
その謎の変装マスクがおもくそ美人だったので、思わず地面に投げつけたことがあるのは内緒である。
しかも、赤井Aと名乗っておけと言われた日には
『なーんで私が秀くんの苗字なのんなきゃいけないの?!そんなことするくらいなら行方不明にでもなってやる!!』
すっごい抵抗を示しました。えぇ。
我ながらそうとう子供じみてましたが、FBIの名が廃ってしまうので受け入れたけど、自分は赤井Aとブツブツ暗示をかけていたら
「……。そのまま嫁に来るか?」
と言われたのでこっそりコーヒーに砂糖ましましで入れたことがある。
それからはというものの諸星大にもカノジョができたようなので、私は私で組織の仕事を適当にこなして、そろそろコードネーム貰えるかなってところまでいった。
あぁ、ここだけの話なんだけどね。
実はカノジョができてから私と会わなくなってからすこーし寂しかった。
FBI捜査官だと素性がバレるといけないから下手に仲間に会うこともできず、任務だからと言われて他国を転々とする生活。
行く先、行く先、出会いと別れの繰り返しに嫌気がさした頃、潜入先の国のテロの爆破事故に巻き込まれた。
あぁ、これ死んだわ。
ってその時は思ってたんだけど
「おい起きろ」
とカノジョの方が大事じゃないんですか?と問いたくなる今まで会いもしなかった赤井秀一がいるじゃないっすか。
その時はなんでいるの?より、私はたしかこう言った。
『組織を…抜けたい』
限界だった。
親しい人を作ることも許されず暗闇の中で生きる生活に、耐えられなかった。
そしたら彼は
「分かった」
とだけ言って私を死んだことのように偽作し、それからまもなく彼も組織に素性がバレてしまった。
こうして赤井Aは任務に失敗したかのように姿を消したのだ。
FBI捜査官の肩書きと一緒にだが…
組織を抜けられたのなら惜しくない。
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作者名:星香 | 作成日時:2019年5月8日 17時