Secret×Secret【安室透/降谷零】 (ページ11)

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１１追求者ページ11

邸を出て大通り出てからタクシーでも拾おうと門の扉に手をかけると

「遅かったねAお姉さん」

いつもより少し低めの小さな探偵くんが表札の下辺りに背中を預けて寄りかかっていた。

発信機は壊したはずなのになんでいるんだよ君。

つけられた覚えもないし、どういうことだ？

「ねぇお姉さんって何者なの？」

『私も聞きたいんだけど君こそ本当に子供なの？』

質問に質問で返すなんて我ながら情けないと思う。

しかし、私にも事情というものがあるのだ。

そして両者しばらく沈黙が続いた後に、少年はこう言う。

「そっか。そりゃ教えてくれないよね。でも僕はお姉さんよりは子供だよ」

そう言ってスケボーに足をかける少年。

そう答えてくるのか。

私、君の正体知ってるんだけどなぁ。とモヤモヤするが隠してくるのなら仕方ない。

今日のところは追求しないでおこう。

『なるほどね。間違ってはいない答えね。なら、私も言ってあげようか？』

そう言って少し挑発するように唇の端を持ち上げて彼を見据えると

「そこは言ってあげるではなく、言うべきだと思うよ？」

彼の唇の端も徐々にあがる。

声色もやはり少し低めであることから、もう以前の子供感を出す気はないらしい。

『そうだね。ここで言わなかったら突き止めるまでしつこそうだし教えてあげるよ』

そう言って私は彼と同じ背丈ぐらいまでしゃがんで彼の唇に自身の人差し指をあてる。

周りになんの気配もないのを確認してから口を開く。

『誰にも言っちゃダメだよ？私ね、実は…』

「実は？」

彼の期待をこもった瞳には悪いが、本当のことなんて易々と明かせないのでここは

『小説家の影のライターなの！』

「へ？」

お互い様ってことにしよう。

『君と私だけの秘密だよ』

ポカンとするコナンくんの頭をくしゃくしゃと撫でてから私は帰路に着いた。