SketchBook 4【mm×kj】 (ページ28)

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#2 ページ28

すぐに振り返って
颯爽とその場を立ち去っていたその人。

勤務そっちのけで
気づいたら追いかけてた。

蓮「待てっ、」

他に人もいない裏路地。

待ってましたと言わんばかりに
笑顔のままこっちを向いた。

「どーも。」

蓮「…誰。」

「あは、そっちから追いかけてきたんに、そっちから名乗るのが礼儀やろ？」

その男は関西弁を話していて
整った顔立ち、髪も至って普通に短髪。

怪しいところは
それに似つかわしくなく赤く染まったその手だけ。

蓮「失礼しました。こういう者です。」

「そんなん手帳見やんでも制服でわかるわ。名前訊いてんねん。読めへんわ暗くて。」

蓮「目黒蓮です。」

俺の名前なんか訊いてどうしたいのかわからないけど
今こいつを怒らせたら俺は＿＿

「目黒蓮くん。おにーさん名前までカッコええんやね？」

蓮「貴方の番です。お名前は？」

「向井康二。」

意外とすんなり教えてくれて
本名なのかどうなのかは怪しいところ。

蓮「向井さん、手、見せていただけますか？」

康二「手？なんで？」

蓮「確認したいことがあるので。」

康二「ええですけど。」

そう言い近づいてくるこの男が
あまりにも堂々としていて
俺の方が腰がひけてる。

恥ずかし。警察なのに。

康二「はい。どーぞ。」

蓮「………、どうして、こんなに真っ赤なんですか？」

差し出された両手は
やはり真っ赤に染まっていて

そのコートの下は
どんなになっているんだろうかと

考えてしまえば身震いがした。

康二「どうして？…警察やっててこれが何かわからんの？」

蓮「…といいますと？」

康二「んふ、人の血しかあらへんやろ(笑)」

蓮「………どうして、こんなことになっているんですか？」

康二「え？おにーさんおもろいな！そんなん、殺したからに決まっとるやん？」

顔色一つ変えずに
そう言い放ったこの男は

康二「…それよりさぁ、蓮くん？」

異様な程に妖艶な笑みを浮かべて

康二「…貸して？その唇。」

躊躇なく真っ赤な手で俺の首を掴んで
そのまま貪るように口づけた。