SketchBook 4【mm×kj】 (ページ17)

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#7 ページ17

康二「めめっ、」

ドアを開けてそう呼べば
ベンチに座って抱え込んでいた頭をそっと上げた。

蓮「康二っ、ごめん、さっきは急に、大っきい声出したりして。怖かったよな。」

震える瞳で
俺の様子を伺うように見上げとる。

康二「……ごめん。」

蓮「え、？」

康二「ちゃうよ。めめが悪いんやない。めめも、他の皆も、何も悪ない。…ごめんな、こんなんなるまで、心配させて。」

よく見れば見るほどに
めめらしくない、痩せ細って
クマもできてコンディションは最悪に近くて。

そのまま消えてまうんは、めめの方やないかって
怖くなってそっと頬に触れる。

蓮「…康、二くんっ…」

久しぶりに聞いたその呼び名は
これまで必死に生きてきた時間の記憶と
ちょっとだけ懐かしいような、
あったかい気持ちを運んできた。

蓮「俺、絶対離さないからね。」

あの日、遠のく意識の中で
その手を差し伸べてくれた時のように

また強く、
強く俺の手を握った。

辰哉「康二っ！」

遠くから叫ぶ声。

振り向けば
駆けつけてくれた皆の姿があった。

ラウ「康二くん…っ、よかった…、」

大介「こぉじっ！！！よく、よく頑張ったな、！」

俺、何見てたんやろ。

自分のことしか考えとらんのは、俺やった。

康二「ごめんな…心配かけて…」

涼太「聞きたいのは、ごめんじゃないよ。」

康二「…ありがとう。」

亮平「こちらこそ、ちゃんと戻ってきてくれてありがとう。」

照「本当に、よかった。」

翔太「この、阿呆。」

俺の居場所は
ここにあった。

他の誰になんと言われようと、
一番大事な、ここに。

蓮「…おかえり、康二。」

康二「………ただいま、っ！」

fin.