１ダースの恋

#7 ページ9

康二「ち、ちゃいますか？！ごめんなさいっ、」

蓮「あ、いや、」




あまりにも驚きすぎて、
フリーズしてしまった。

だって、届けたの俺じゃないし。




蓮「拾ったのは俺ですけど、届けたのは俺じゃないっす。」

康二「届けてくれたんは、深澤さん、ですよね？」

蓮「あ、そうそう。」

康二「でも、ここに居らんから、そしたら、深澤さんと一緒に居る目黒さん居ったから、それで…」

蓮「え、」




知ってるんだ、そんなことまで。

そしたら
いつもの人、どころか
目黒さんがいる、って感じだったの？




康二「え？目黒さ…めぐ、目黒さん、ですよねっ？」

蓮「……ふは、」

康二「ぇ、なにか…」

蓮「かわいーね。」




無意識。
気づいたら口に出てた。

けど、
それだけでこんなに顔真っ赤にしちゃって。





康二「あわっ、」

蓮「あっ、…ぶな…」





動いてる電車の中、立ち話してりゃそうなるよね。

ふらついてそのまま後ろに倒れそうになったから
座ったまま手をひいてしまって

…それはいいんだけど。





康二「ご、ごめ、なさっ、」

蓮「いや、俺こそごめん、急に引っ張って。」





逆に俺の方に倒れてきてしまった。

…まぁ、それだけと言えばそれだけ、なのに。





康二「け、けが、ないですか、？」





またまた顔真っ赤にして
伺うように上目遣いされたら
こっちだってなんか狂う。





蓮「このくらいで怪我、しないよ。」

康二「よかった、です、……あの、大丈夫、ですから、離しても…」

蓮「あー、…ごめん。」





まぁ学校でもいつもあんなだし
それなりに自分はカッコいい部類だと思って生きてきたけど

これって、オンナがする反応じゃないの？






＿次は、………






蓮「…降りるよね？当たり前だけど。」

康二「降ります、」





そりゃそうだ。
学校の最寄り駅だもん。





蓮「お先どーぞ。」





同じ場所に向かうのに
まさかここで
はい、さよなら、なんて訳にもいかないから


なんだか一緒に登校するハメになった。

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