#3 ページ5
もうこれ以上、何も起こらんで……。
そう願いながら
いつも以上に存在感を消して時間が経つのを待つ。
教室の一番後ろから２番目、
お日様に包まれる一番窓際。
教室の隅っこで自分の世界をつくれるこの場所は
おれにとって唯一無二。
「それじゃ、今日はこれで…」
終わった…！
帰りのHRが終わり、
ざわめきだす教室。
今日は掃除当番もないし
このまま図書室で勉強や。
１人、その空間から逃げるように
歩き始め……ようと……
康二「…阿部くん、？」
進めなかったのはこの人が
おれの腕を掴んだから。
亮平「あっ…いや…あの…、」
康二「おれ、なんかした…？」
亮平「ううん！そういうわけじゃ、ないんだけど…あの、」
「康二ー！！！」
康二「へ？」
亮平「え？」
今、おれの名前呼んだやんな？
呼ばれたよな？？？
「康二どこ？あ、あそこ？」
でもその声は聞き馴染みない。
当たり前や。
違う世界の住人やもん。
「落とし物。お前、ドジだもんな〜！」
康二「あ、りがと、ございま、」
「また来るわ！」
後ろ姿、手をひらひらさせながら
歩いて行ったその人。
さっきのざわめきが嘘のように
教室中がおれらを見とる。
亮平「…知り合い？」
康二「いや、知るわけないやん、」
亮平「だよね。向井くんと深澤が知り合いだったらびっくりする。」
渡されたのは、１枚のプリント。
�爍嫁�Ｃ組向井康二��
ご丁寧に書かれたそれ。
康二「これ見て、来てくれたんやろか。」
亮平「でもなんであんなわざわざ…」
康二「知り合いのフリ、されたんや…？」
てかこのプリント……
康二「あ。」
亮平「ん？」
康二「あ、いや。今日の朝電車でプリントばら撒いてもうて…そんとき、拾ってくれたんかなって。」
亮平「それはまぁ…他の人に拾われなくてよかったけど…」
深澤さん。
この学校の三大有名な人の１人。
いわゆる陽キャ…キラキラしてて、
いつも女の子に囲まれとる。
俺とは違う世界の人やのに………
康二「そういえば、阿部くん、なんやおれに用あった？」
亮平「えっ？！あっ、ううん！何だっけな、笑」
康二「んふ、阿部くんでもそんなことあるんや(笑)」
亮平「…っ、…」
康二「ん？どした？」
亮平「なんでも！！じゃ、また明日ね！」
そのまま阿部くんは教室を出て行ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Nayuyu(プロフ) - 友里花さん» 私の作品は基本的に夢主はでてきません(_ _)お求めでなかったら申し訳ございません！ (6月9日 21時) (
レス) id: a3bd3a5d12 (このIDを非表示/違反報告)
友里花(プロフ) - この話って男主ってでてこないんですか？ (6月8日 22時) (レス) @page6 id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuyu(プロフ) - ひなりさん» わぁぁありがとうございます！申し訳ございません！！！ (6月1日 8時) (レス) id: a3bd3a5d12 (このIDを非表示/違反報告)
ひなり(プロフ) - #12あたりの阿部亮平の亮平が良平になってます💦 (5月30日 23時) (レス) @page16 id: 5c034f8197 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Nayuyu
| 作成日時：2023年5月24日 23時
