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#12 ページ14

辰哉「…ふは、おもろ。」

康二「え、?」

辰哉「別に、睨み合ってなんかないよー?ごめんね、怖がらせて。」



ちょっとだけおっきめの声、だけどおれにとっては
学校で初めて出したかもしらんくらいの声で言えば
まるで子供をあやすかのように
頭にそっと手が置かれた。



康二「いや、あの…」

亮平「ところで何しに来たんですか?サボりですか?」

辰哉「めっちゃ棘あんね(笑)でも残念、頭痛ー。」

亮平「いっつも頭痛なんですか?保健室いること多いですけど。」

辰哉「俺のことよく知ってんね!」

亮平「有名人ですからね。サボり魔さん。」

辰哉「サボってないもーん。」



じゃあ、あっちのベッドで休んでてください
なんて、1個奥のベッドを指さしながら言った阿部くんに
素直に従った深澤さん。

仕切りのカーテンを思いっきり閉めた阿部くんは
やっぱり何か怒っとる。



康二「阿部くん…、?」

亮平「あ、ごめん!ちょっとこれ、熱測ってみて?」

康二「あ、おん…。」



絶対熱なんかあらへんけど。

…ところで静かになった深澤さんは
ほんまに大丈夫なんやろか?


カーテン越し、見えるわけもないのに
透視機能手に入れたんかってくらい凝視してしもうた。



康二「…熱、あらへんよ。大丈夫やった。」

亮平「そう。それなら良かったよ。」



時計を見れば
授業が終わるまであと少しで、
この時間が終わるまではここにいようってことになった。

けど、

深澤さんが寝とったら
うるさくしたらあかんなと思うし
逆に寝とらんかったら
話全部聞かれとるんかなと思うし

とにかく人生で1番くらいに
気まずい空間やった。









康二「今日はありがとな?」



帰り際、斜め後ろを振り返れば
鞄に教科書を詰めとる阿部くん。

あ…やっぱり勉強しとるんやなんて
当たり前のことを思った。



亮平「だから俺が勝手にしただけだからさ!」

康二「でも…」

亮平「いいの。それより、大丈夫?」

康二「へ?」

亮平「深澤。なんか最近すっごい絡まれてない?」



まぁ大丈夫かと聞かれれば
それはわからん。

けどなぜか
嫌かと聞かれればそんなこともない。



康二「わからんけどまぁ…平気やよ。たぶん。」

亮平「多分って…」

康二「うん、絶対!大丈夫!」

亮平「何かあったら、言ってね。」



阿部くんは
ほんまに優しい人や。



康二「…あっ、明日までの宿題っ」



阿部くんを見送ってから
いつも通り、図書室へ向かった。

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Nayuyu(プロフ) - 友里花さん» 私の作品は基本的に夢主はでてきません(_ _)お求めでなかったら申し訳ございません! (6月9日 21時) (レス) id: a3bd3a5d12 (このIDを非表示/違反報告)
友里花(プロフ) - この話って男主ってでてこないんですか? (6月8日 22時) (レス) @page6 id: ce3588ab80 (このIDを非表示/違反報告)
Nayuyu(プロフ) - ひなりさん» わぁぁありがとうございます!申し訳ございません!!! (6月1日 8時) (レス) id: a3bd3a5d12 (このIDを非表示/違反報告)
ひなり(プロフ) - #12あたりの阿部亮平の亮平が良平になってます💦 (5月30日 23時) (レス) @page16 id: 5c034f8197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Nayuyu | 作成日時:2023年5月24日 23時

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