CBくんたち！【短編集】

【G】私の彼は左利き ページ19

***



「左利きの人って、平均寿命短いんだって」

「え、マジ？俺早死にすんの？」

「かもしれない」

「やだわー、俺まだ死にたくねえ」

「まだ26歳でしょ。さすがにまだ大丈夫だよ」

「いや、生と死はいつも隣り合わせだから分かんねえよ？もしかしたら明日」

「そういうのやだ」

「俺が明日死んだらどうする？」

「っ、だから！やだってそういうの」

「例えばの話だよ例えば」

「…考えたくない。多分私も死んじゃう」

「いや、そこは俺のために生きろよ」

「…もうこの話やだ」

「ごめんって。やめるから臍曲げんな〜」

「むり」

「じゃあこれは知ってるか？」

「なに？」

「左利きは天才肌で直感的、複数のことを同時に出来る人が多いらしいんだけど、俺はどう？」

「ひゃ…っ！ちょっと耳元！擽ったい！急に寄ってきてどうしたの」

「聞いてるの俺なんだけど？一番近くで見ててくれるAチャンに聞こうかな〜と思いまして」

「し、知らない…」

「そう固いこと言うなって。教えて」

「近いから…！」

「いいから」

「…ジョージは何でもできるなあっては思うよ。フットワーク軽いからすぐどっか行くし」

「まあそれはYouTuberとしては当然っつうか、そうせざるを得ないっつーか」

「あと、」

「あと？」

「…やっぱ言わない」

「なんで」

「嫌な女って思われるかもだから」

「俺がそんな事思うと思う？」

「分かんない」

「俺どんだけ心狭いと思われてんだよ。俺の事過小評価し過ぎ」

「…ジョージモテるじゃん」

「ん…うん？」

「ほらー！もうやだ」

「いや俺何も言ってねえから！布団被ってうずくまるのやめろ！出てこいって」

「…なに」

「なに、じゃなくて。…お前嫉妬してたの？」

「…人気者なのは嬉しいし、自慢の彼氏なのは変わんないけど」

「けど？」

「たまには、構ってほしいなあ…なんて」

「…お前」

「もうやだ何も言わないで」

「違うって、いいから布団から出て」

「ん、なに…？」

「頼むから今すぐ抱き締めさせて」

「え」

「いいからほら…出てこいって」

「あ…ちょ、っと…！く、るし…」

「あー…マジお前急に狡くないか？」

「何が？」

「無自覚とか…タチ悪いな。狡すぎ」

「…？」

「構うよ、Aが満足するまで、幾らでも」

「私一生満足しないよきっと。…我儘だから」

「女は我儘な位が可愛いよ。お前より長生きして一生構い続けてやるよ」

「仕方ないから相手してあげる」



私の彼は左利き。

【G】propose→←【M】堕ちる(後編)(リクエスト)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す