【J】アルコールは程々に(前編) ページ15
***
高校の同窓会に来た。
懐かしい友達と久し振りに会った勢いに乗って、3次会までやってきてしまった。
携帯の着信が、溜まり続けていることにも気づかずに。
3次会はカラオケだった。
2次会までは参加している人も多かったものの、流石に3次会となると、本当に仲の良かった人たちばかりになった。
確か今この場にいるのは、高校3年生の時に同じクラスで仲が良かった男女6人ほど、だったはず。
私自身、酒に弱い自覚はあるけれど、本当にノリと勢いだけでここまで来てしまった。
これがもし普通の会社の飲みなら2次会どころか1次会で帰る、それくらい私は酒が飲めない。
視界がぼんやりと霞んでいるのと、頭がふわふわとしているせいで、誰が何を歌っているのか、今の時刻は何時くらいなのか、ほとんど分かっていない状況だった。
ただ、今私は誰かしらの膝を枕に横たわっているということは確か。
「ちょっと〜、A大丈夫？」
「んあ、だいじょーぶ…じゃない」
朦朧とする意識の中、聞こえた声に、なんとかかんとか返答する。
「誰か迎えに来てくれる奴とか、いんの？」
「ん、居る…じろ…」
じろ、と口にした名前は、他のどんな言葉よりも口にし慣れたもので、この薄い意識の中でも、自然に出る程だった。
スマホをソファーに適当に放ると、膝枕の主は仕方なさげに大きな溜め息を吐きながらも、それを手に取った。
「『じろ』って…もしかして彼氏？俺、殺されるだろ…てかお前、着信めちゃくちゃ溜まってるけど大丈夫？」
「んー大丈夫」
俺が大丈夫じゃないんだよなぁ、と呆れながら私のスマホを耳元に当てた。
この場にいる人たちは、全員私の彼氏であるジローの存在を知らない。
理由は言わずもがな、ジローはすっかり有名になってしまったからだ。
この場の人たちを信用していない訳では無いけれど、敢えて話すことでもないと思って言っていなかっただけ。
その間も私は、全身に感じる倦怠感と眠気に襲われて意識を手放しそうになる、が。
「…え？ち、違いますって。いや、本当に、ただの高校の友達ですって。Aが死にかけてるから、俺が代わりに…って切れたし」
ばつが悪そうに頭をがしがしと掻き上げる友人の声が、ふと耳に入る。
「お前の男、キレてるぞ。…あーあ、2次会の時点で帰すべきだったな」
頭をぽんぽんと叩かれる感覚が心地よくて、私はついに本格的に寝入ってしまった。
(後編へ)
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なな - 更新されたお知らせを見て、1人1作品までと書いておりましたので、下のリクエストのジローバージョンだけで大丈夫です^ ^よかったらお願いします^ ^ (2018年8月12日 16時) (
レス) id: 95dae1597d (このIDを非表示/違反報告)
なな - ジローともう結婚してる設定で、妊娠してから出産した後までのお話が見たいです！それのジョージバージョンも見たいです！よかったらお願いします！ (2018年8月11日 9時) (レス) id: 66904d1436 (このIDを非表示/違反報告)
ナユタ(プロフ) - るぅてゃんさん» 初めまして、暖かいコメント頂き、誠にありがとうございます。何度も読んでいただけて、とっても嬉しいです…！拙い文章ではございますが、これからもよろしくお願い致します。 (2018年8月10日 14時) (レス) id: 33ad2629a4 (このIDを非表示/違反報告)
さささ。(プロフ) - ジョージがシアトルで彼女が日本の遠距離が見たいです!!!イベントで日本に帰ってくるけど忙しくてなかなか会えずにいたけどジョージからのいきなりの電話で会うことになってラブラブするっていうシチュエーションが見たいです!!!更新楽しみにしてたので頑張ってください (2018年8月10日 10時) (レス) id: 30a4697702 (このIDを非表示/違反報告)
るぅてゃん(プロフ) - もう5回以上読み返しているのですが何回読んでもきゅんとなって素敵なお話と文章で大好きなのでこれからも頑張ってください！ (2018年8月10日 0時) (レス) id: 809da260df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナユタ | 作成日時：2017年7月26日 16時
