【銀魂】キャバ嬢に恋した銀時くん (ページ36)

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35.変態男の不安ページ36

～銀時Side～

何でAは俺の口を手で押さえてるわけ？

今俺、告られたよな？
お互い気持ちを確かめ合ったよな？

「今いい雰囲気だったよね？このままチューする流れだったよね？」

しかも、何でちょっと笑ってんの？
何で涙流してんの？

「んでもってそのままベッドイーン…」

「アホっ！」

コツンと頭にチョップされる。

何これ、やだこれ。

「銀ちゃんの言う通り本当はね、ちょっと色々あったの」

「…」

「まさかこんな展開になるなんて思ってなかったら黙っておこうと思ったんだけど…」

やっぱり俺の勘は間違ってなかった。

「でも今はまだ言えない。だけど全て終わらしたら…」

「…」

「終わったら…その時にまた気持ち聞かせて？」

いや、思ってもない展開になってきたのは
俺の方なんですけど…

全て終わらすって何？
その時に気持ち聞かせてってどういう事だ？

「それでも良かったら私は銀ちゃんの彼女になりたい」

真っ直ぐな瞳で俺を見つめるA。

ただ事ではない気がして
何故だか分からないが嫌な予感がした。

何を抱え込んでんだ、こいつは…

「ただいまアルー！」

だがそれは神楽の声でかき消された。

それからはAが飯を作ってくれて
普通に夕食を食べて普通にテレビを見て

Aとこんな時間を過ごすのは初めてだった。

「今日は楽しかった～」

そしてAをマンションの前まで送ると
俺は思わずAを抱きしめた。

「銀ちゃん？人見てる…」

「関係ねェよ」

「…」

「なぁ、どこにも行くなよ」

自分でもびっくりするほど
弱々しい声だったと思う。

Aはそれを感じたのか
俺の背中をポンポンと2回ほど叩き

「どこにも行かないよ。2、3日会えないだけでしょ？」

優しくそう言ってくれた。

「……だよな。わかった」

「じゃあね、ありがとう」

マンションの中へと入っていくAの背中を
見えなくなるまで見送った。