検索窓
今日:19 hit、昨日:25 hit、合計:183,581 hit

30.光と闇の蝶々 ページ31

〜高杉Side〜



女は一度も涙を見せやしねェ。
弱音すら吐きやしねェ。


何が女をここまで強くさせているのか。
腹立しくてならなかった。



何モノにも揺るがないあの目。






「お前はすでに立派な罪人だ。両親が知ったらどう思うだろうなァ」





隣で眠るこいつに俺は問いかける。





「A、お前は俺と変わりゃしねェんだよ」





堕ちるとこまで堕ちて
地べたを這いずり回る俺と何ら変わらねェ。






「蝶か…」





″夜の蝶″


自分とは真逆の世界で
艶やかに羽ばたいているこいつが

憎く、恨めしい。


だから羽根を引きちぎってやった。




もうすぐでお前は
俺と同じところまで堕ちる。


そしたらもう一度羽ばたかせてやる。


壊して壊して、砕け散った後
もう一度、直してやる。





「だから…」

「ごめんね…銀ちゃん…」









.









.








「あんな奴の名前なんざ呼ぶんじゃねェよ」





気が付けば俺は女の首を掴んでいた。





「……ゔっ」





徐々に力を強めていくと
夢と現実の狭間で女は小さな声を漏らす。


だが、苦しさからか女は目を覚ました。





「……何…して」

「てめェ、銀時の何だ」

「えっ?」

「銀時の女か?」

「……ただのお客さんだよ」





フッ、分かりやすいもんだな。
そんな哀しそうな目して何が客だ。





「俺に嘘つくなんざ100年早ェよ」

「なっ…!!」





女の上に跨り、鞘から刀を抜くと
女は目を見開き怯えていた。





「そう、その目だ」

「…」

「その目に俺を映してそうやって怯えてりゃいい。その方が似合ってるぜ」

「……っ」





刀の先を女の頬に当てると
スーっと真っ赤な血が垂れる。





「やめ…て…」

「ククッ」

「お願い…」





そして、女の左胸を刺した。


いや…







.







「えっ…」

「殺されると思ったか?」





傷を、刻んでやった。

俺の支配下にあるという証を。

31.刻まれた一本の証→←29.狂気の裏に隠れた何か



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (204 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
382人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 高杉晋助
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なさん(プロフ) - アリスさん» どういたしまして! (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 教えて頂きありがとうございます。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - 〜KBとか〜MBとかです。上手く説明できないのでググってみてはどうですか? (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 容量とは、、、?すみません。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - アリスさん» 絵というより容量ですね。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なさん | 作成日時:2016年4月11日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。