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24.私がキャバ嬢になった理由 ページ25

それからしばらくして
何故かその男は店にやって来た。


編笠を深く被っていたせいで
店の人は気付いていない。





「誰にも言ってねェようだな」

「……はい」





正直この男が怖かった。


この鋭い目付き…
目を付けられたら終わりだ。

そう思った。



冷静になった今思えば
あれは正当防衛になったのかもしれない。

この男の名前さえ出さなければ
私は殺される事もないじゃん。


だけど男は私の考えていることが分かったのか





「正当防衛じゃ通らねェぜ。なんせ死体は海の中だからなァ」





ニヤリと笑ってそう言った。





「俺の名前を出さず、それをお前はどう説明する」

「…」





その通りだ。

そういう知識を持ち合わせていない私には
到底無理な話だった。

私が誰にも言わなければいいだけだ。






そして、その時思ってしまった。
私はこの人に助けられたんだと。


あの時、この人がいなければ
私は人を殺した事を認めて
警察だとかいろいろ面倒な事になる。






「……ありがとうございます」





だから黙っておこう、
私は楽な道に逃げたのだ。





「礼を言われる覚えはねェ。ただの…共犯者だ」

「…」

「どうだ?初めて人を殺した気分は」

「……両親に、顔向けできません」





何より田舎に暮らしている両親に
心配かけたくなかったのだ。





「ほぅ。随分と親思いなんだなァ」

「大切な両親ですから。今は一緒に住んでないですけど」





俯きながら私がそう話すと
男はまた私に質問をする。





「何故一緒に住まねェ。しかもわざわざ水商売までして」

「お金ですよ。父が病気で働けないから、両親の生活費や父の治療費を稼ぐ為に…」





すまいるで働く理由は
それだけだった。

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なさん(プロフ) - アリスさん» どういたしまして! (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 教えて頂きありがとうございます。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - 〜KBとか〜MBとかです。上手く説明できないのでググってみてはどうですか? (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 容量とは、、、?すみません。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - アリスさん» 絵というより容量ですね。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なさん | 作成日時:2016年4月11日 16時

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