【銀魂】キャバ嬢に恋した銀時くん (ページ16)

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15.初めての大喧嘩ページ16

「お待たせ銀ちゃん！」

15分程でAは戻ってきた。

さっきのこいつは何だったのかと思うほど
いつも通りのA。

「太客らしいじゃねェか」

「ま…まぁねー！ロマネ卸して、ほとんど飲まずに帰って行ったよ」

「はぁ！？もう帰ったのか？」

んな高ェ酒を卸しといて
ものの15分で帰っただと！？

どんだけリッチなんだよ、嫌味かよ。

世の中不公平だよなー。

まぁでも可哀想な事にその客は
Aに嫌われてるんだったな。

ぷぷぷっ、ざまぁ！！

「その人ね、私が指名かぶってると絶対帰るの。まぁ有難いんだけどね！」

そう言ってAは
少なくなった俺のグラスにまた酒をつぐ。

何気なく放ったその言葉のせいで
俺のスイッチが入ったのをAは知らない。

「銀ちゃん明日仕事は？」

「…」

「ないんだったら終わってから飲みに付き合ってよ！」

「…」

俺が無視して酒を飲んでるモンだから
Aは不思議そうに俺の顔を覗き込む。

「ぎーんときさーん？」

「俺は利用されたっつーワケか」

「えっ？」

口に出してしまったら
もう止まらねェ。

「その苦手な客を帰らす為だけに俺を呼んだってか」

「それは…ごめん。でもそれだけじゃな…」

「金だけ使わせてすぐに帰らす。さっき帰した客もそーいう事か」

「だから違うってば！！」

必死で俺に訴えかけるA。
何が違うってんだ？

「可哀想な客だな。さすがはNo.1、やる事がゲスいねー」

「…」

「そりゃ恨みも買うはずだわ。ストーカーされても自業自得なんじゃね？」

「……本当は、そう思ってたんだね」

きっと俺は今、頭に血がのぼっていて
言ってはいけない事まで言っている。

「俺がバカだったわ」

「何で…信じてくれないの」

「それはな…お前がキャバ嬢だからだよ」

言ってから後悔してももう遅い。
取り消す事はできねェ。

「……そう。じゃあもう二度と来なくていいから」

「言われなくてもそうするよ」

何でこの時
ちゃんと話を聞いてあげなかったんだろう。

何でこの時
少しでも信じてやろうとしなかったんだろう。