54.夜兎vs辰羅、再び ページ7
私は次々と奴らを殺し
高杉も次々と奴らを斬った。
「ぐっ…」
「どいつもこいつも束になって鬱陶しい…血までマズイ」
べっと口に入った血を吐き出す。
夜兎族と辰羅族の戦い
この光景を覚えてる。
『いやだ…いやだー!!』
『A!!早くしろ!!』
私は泣き叫びながら逃げたっけ…
手を引かれ、何度も何度も
後ろを振り返りながら逃げたんだっけ…
そんな事を思い出していると
後ろから殺気を感じ振り返る。
「何ぼけっとしてやがる」
目の前で辰羅の奴が
体から血しぶきを上げ倒れていった。
どうやら私に襲いかかろうとしてきた奴を
高杉が斬ってくれたみたい。
我に返り、残りの奴らを片付ける。
剣の音が、骨の折れる音が銃声が、悲鳴が
橋の上で鳴り響き
全員を片付け終えた。
***
「終わったぜー!あれ?晋助様?」
「あっちですよ」
私はぎおんにいる隊士に連絡をした。
向こうもさっき片付け終わったらしい。
地面に腰をおろすと高杉が近付いてきた。
「お前の仲間に、春雨の女をやったら俺が行くまで待ってろと伝えておけ」
「どうする気?その女は春雨じゃない」
「なぁに、俺ァ元いた場所に帰してやるだけよ」
そう言ってまたニヤリと笑った。
華蛇は元春雨って事か。
しかし何を考えてるか読めない男だ。
私はポチに電話し、そのまま伝え
後で迎えに来てくれるよう頼み電話を切った。
江戸にはもうすぐ着くみたい。
大丈夫かな…みんな。
「その左腕は使いモンにならねェのか」
みんなを心配をしていると
突然高杉はそんな事を聞いてきた。
「何でみんなそんなに気になるかな…そうだよ。人一人助けたばっかりにこの様。アンタは?その左目はどうしたの?」
「まるっきり逆だな。俺ァ助けられてこの様だ。誰も気にしやしねェ」
本当に逆だな、何もかも。
「どうやら気が合わないようで」
「フッ。合いたくもねェだろ」
こいつはどこか
哀しそうな目をしていた。
私は何かを感じてしまったみたいで
「……アンタのその目には、その残った右目には何が映ってる?」
自分でも分からないけど
勝手に口が動いてしまっていた。
55.それぞれ見える景色は違う→←53.敵の敵は味方ではない
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モモ - この作品とっても面白いです!!!沖田と神威、最高です!!! (2015年8月31日 13時) (レス) id: 0593e0ea3b (このIDを非表示/違反報告)
春花 - 沖田きゅん格好いい!私いつもドSだけど、うん。沖田きゅんのためならドMになってもいいッ!!!!!! (2015年6月21日 10時) (レス) id: 0495e26250 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - やけマヨw マヨリーンハーフw三角関係で泣いたのにこの落差wwやっぱこの小説大好きです!思わず2コメしちゃいました! (2015年6月5日 5時) (携帯から) (レス) id: 3b8b7e5795 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 何度読んでも面白いです♪これからも更新頑張ってください!! (2015年5月11日 20時) (レス) id: bf0a57686e (このIDを非表示/違反報告)
サユ - 続編おめでとデスゥー! これからも頑張って下さい★☆ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 20acbef3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なさん | 作成日時:2015年5月3日 7時