76.憎まれ口と優しさ ページ29
「何で…」
『何でそんなに強くなりたいの?』
『お前に関係ない』
「行かないでよ…」
『神威…』
『もう俺のことは忘れてくれ』
「……っ」
私の気持ちを知ってるくせに
私が嫌って言うのを分かってるくせに
また私から離れて行く。
追いかけては突き放される。
でも今回はあの時とは違う…
前よりもっと遠くに行くような
もう私の好きだったあいつは戻ってこないような
そんな気がした。
「おい」
沖田の胸を借りて私は泣き続けた。
「山崎、帰るぞ」
「え…でも怪我…」
「総悟が何とかするだろ。俺達は邪魔だ」
***
どれくらいたっただろう…
「もうじゅうぶんだろ」
「あ、ごめん。つい…」
我に返り、沖田から離れる。
「送ってやるよ。乗れ」
そう言ってしゃがんだまま
私に背中に乗るよう促す。
「いや…いいよ、歩けるし…」
でも足に力すら入らず
ガクッとなりバランスを崩す。
「いいから乗れって言ってんだ」
「…」
私は黙って背中に乗った。
小柄な沖田だけど
さすがは男の子って感じがした。
「軽い?」
「……重い」
私は沖田の頭を小突く。
「死ねチビ」
「じゃあ何で聞いたんでィ…」
あ、チビはスルーなのね。
「アンタにはデリカシーとかないのか?」
「……これくらいが丁度いい」
重いのは否定せんのかい!
って思ったけど、何も言わなかった。
歩く時の振動が妙に心地いいのか
いつも以上に疲れたのか
沖田の背中が落ち着くのか…
私はだんだん眠たくなってきて
そのまま眠ってしまった。
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モモ - この作品とっても面白いです!!!沖田と神威、最高です!!! (2015年8月31日 13時) (レス) id: 0593e0ea3b (このIDを非表示/違反報告)
春花 - 沖田きゅん格好いい!私いつもドSだけど、うん。沖田きゅんのためならドMになってもいいッ!!!!!! (2015年6月21日 10時) (レス) id: 0495e26250 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - やけマヨw マヨリーンハーフw三角関係で泣いたのにこの落差wwやっぱこの小説大好きです!思わず2コメしちゃいました! (2015年6月5日 5時) (携帯から) (レス) id: 3b8b7e5795 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 何度読んでも面白いです♪これからも更新頑張ってください!! (2015年5月11日 20時) (レス) id: bf0a57686e (このIDを非表示/違反報告)
サユ - 続編おめでとデスゥー! これからも頑張って下さい★☆ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 20acbef3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なさん | 作成日時:2015年5月3日 7時