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秋の大会が終わってまず、メールが来た。
「誰から?」
「孝介。表彰とか色々して、優勝校は大変だ……」
待っていると晩御飯が遅くなってしまう。お母さんは明日も仕事だ。「すごかった、お疲れ様。先に帰るけど、何かあったらいつでも電話して」と返信をして家に帰った。
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「おやすみ」
「おやすみ、ちゃんと寝るのよ」
「わかってるよ、ゲームしない〜」
階段を登りながら適当に返事をして、ベッドに寝転がった。孝介、めちゃくちゃ活躍するやん……と試合がある日はほぼ毎回思っていた気がする。電話の着信音がして、ディスプレイを見ると孝介から。疲れているのに、わざわざ電話。慌てて出た。
「も、もしもし」
『悪いなこんな夜中に、まだ起きてた?』
「うん、一応……」
『そっか、今日もありがとな』
「いいの、好きなことしただけだから」
ありがとう、私の中のリミッターをそっと外してくれて。まだ怖いけど、あんなに勝たれてしまったら不幸体質なんて気にしちゃいられない気がしてならない。相変わらずガチャはなんにも出ないけど孝介の嬉しそうな顔が見れて何よりだ。
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作者名:郁 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年12月2日 1時