なんでもお見通し ページ44
.
いつだったっけな、もう何年も前の話。
イリチルでの活動、NCT Uでの活動、ドラマの撮影、モデル活動等沢山のお仕事を頂けてNCTのナビとしての日々は絶好調に進んでいた。
けど働く事が当たり前の日々が続き、いつからか休む事が怖くなっていた。
ただの1日のオフでさえ、｢休んでいいのかな｣とか｢このまま仕事が無くなっていって忘れられてしまう｣と思うようになりまともに眠れない日々が続いていた。
そんな精神状態からご飯も喉を通らず、栄養サプリに頼るようになり自分では気付いてなかったけど誰が見てもおかしいと分かるぐらい異常な痩せ方をしていた。
HC ｢ヌナ…最近ちゃんと食べてる…？｣
｢食べてるよ！めっちゃ元気｣
HC ｢だったらいいんだけど…痩せたなと思って｣
｢えぇそう？昨日も夜食食べたけどなぁ｣
なんて大嘘。もう何日も食べてない、何日もサプリしか飲んでないよ、なんて言えるはずもない。
｢はは、酷いな…｣
鏡に映る自分を見て思わず本音が零れる。
こんなガリガリで不健康そうなナビを誰が愛してくれるだろうか。
TY ｢A…何かあった？いつもの元気なAじゃないよ｣
イリチル全員でダンスレッスンをしている時、テヨンが声をかけてきた。
｢何も無いよ？ずっと元気だってば｣
TY ｢無理してるように見える｣
図星すぎて何も言い返せなかった。
無理しかしてない、けど休むのは嫌だ。
TY ｢A、今日は休んでて｣
テヨンから今1番言われたくない言葉をかけられ頭が真っ白になる。
あまりにも私がしんどそうに見えるから休んでてと言ったんだろうけどその頃の私には｢邪魔だからもう今日は要らない｣と言われたように感じて、自分が情けなくて目頭が熱くなった。
その後すぐ練習が再開して、私は隅っこで皆が踊るのをじっと見ていた。
この間も休んでる事が不安で仕方なくて、視界がぼうっとし始め、私の意識はここで途絶えた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1077人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マンネ
| 作成日時：2022年11月17日 20時
