傘屋の直吉と浪人直己…弐

盥で湯浴み……弐 ページ4

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…………この間、橘が来たらしいと

伝えたら……直己は、黙って頷いた……





今かよ〜〜……

俺と直己は、故郷を追われた身なのに……

フッ……違うな…………






追われたのは、俺だったっけ……







襷掛けした直己に、ヨシヨシしながら

気分転換にと、昼から大量の湯を沸かして

くれた事に…………

…………いつも、気遣いが優しい…

お母さんみたいで…………つい……






直吉『お母さん、ありがとう』
って云うと






直己「…違いますけど……こんな、手の掛かる

息子を、育てた覚えは、有りませぬ……





『じゃあ〜〜産んだ？ww』






……言葉の綾です…………まったく。」

首を横に振りながらも、盥へと導かれ……









スルスルと、帯を解き

ハラリと、着物を落とし

下肢に巻いた、白い布を

スルスル……スルスル〜〜っと

縁側に落とした……






脱いだ脱け殻を、直己が、たたみ……

褌は、そのまま……くるくるポイ……

(今……あいつ、つまんで投げたよ〜〜

……まぁ、洗濯してくれるから、良いっか？ )






直吉『ふぅ〜〜……まぁ〜〜湯浴みも

良いけどさぁ〜〜やっぱり湯屋に

行きたいなぁ〜………そしたら

こんな感じでツヤツヤで、ピカピカ

の美肌の見返り美人が、襟を抜いた感じで





「あら、素敵な旦那はん」





なんて、言ってさぁ〜〜。』






黙って、盥に足し湯を入れ

(なんで、京都？いや関西弁……？)






直吉『そしたら、お姉さんが云うんだよ〜〜





「ちょいと、うちに、寄って行かへん？」





なんて言っちゃってさぁ〜〜

俺は、さぁ〜〜も〜〜うこんな感じで』

裸になった、身体をゆっくり腰まで

盥に沈めながら、胸を張り…………






直己「まだ、続きます？」







直吉『も〜〜う、ぷるるん、ぷるるんな

胸元が、俺を誘うんだよ〜〜





「あら旦那はん、もうこんなに元気」





……なんてさぁ〜〜』







直己「…………(早っ)」









直吉『なぁ〜〜行こうよ〜〜湯屋〜〜』








直己「実は、本所の外れに、人っ子ひとり

近づかない湯屋が、あるそうです……





『またぁ〜〜本所の外れって……』





でっかい頭の、おばあさんが居る湯屋

らしいです…………湯婆婆って………」






直吉『きゃあ〜〜……って、オイ

本所の外れって、墓地だろうがぁ〜〜

湯婆婆って、妖怪じゃん！』







直吉『行こうよ〜〜、美女がいる湯屋にさぁ〜〜 』
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