傘屋の直吉と浪人直己…弐

ようこそ江戸へ……肆 ページ21

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漢侍が、鼻から血を流して

A「あぁ〜〜血が、血が、垂れてます」


直己「……うむ、さもありなん……」



「ポカリッ」



直吉『バカやろ〜〜カッコ付けやがって

鼻血を、出した奴に言われたくないわぁ〜〜

ねぇ〜Aちゃん』




A「フッフフッ〜〜ほんとに

お二人は、仲がよろしいですね〜〜」





直吉『えぇ〜〜仲良くないよ〜〜』




直己「フッんぐぅい」
手ぬぐいで、押さえながら喋るから


A「はい？」



直吉『ムゥ〜こらぁ〜〜、心外だとぉ〜〜

それはこっちの台詞〜〜』



A「あぁ〜〜心外ですかぁ〜〜フッ

ほんとに羨ましいです。私も、そんな風な

お友達が、欲しいです。」





直吉『こんな可愛いくないデカイのなら

いつでも貸すからね〜〜なんなら今日から

連れて帰って良いから〜〜ったく〜〜』




片手を腰に当て、もう片方の目で

替えの手ぬぐいを、鼻血タラタラ侍に

差し出し、侍が普通に受け取る仕草に




A「お二人は、ほんとに、ご兄弟では

無いのですか？」





『「ブンブン」』
頭をフル二人……



パツ臣「うわぁ〜〜血が〜〜」



仲良く、タタキで、寄り添う二人の間の

畳の上に


「ペタッ」


隆「飛んで……きた……ね……」



二軒先の大工の勝蔵さんに

「うるせ〜〜わぁ〜〜」

と、言われたのは、直ぐ後の話…………
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