傘屋の直吉と浪人直己…弐

ようこそ江戸へ……参 ページ20

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隆「鰹節削らないのぉ〜〜？」




A「フッフフ」

本枯節を、頭の上で両耳ぴょんぴょんの
うさぎさんの様で


パツ臣「クックックッ……めっちゃ可愛い

うさぎさん……クックックッ〜〜」



本枯節を頭の上で、ゆらゆらさせながら

ぴょんぴょん、うさぎの若旦那は




隆「うさぎさん？俺がうさぎさんなら

う〜〜ん、パツ臣ちゃんは？」





A「うさぎさんと、お似合いなのは

なんですかねぇ〜〜？狼さんですかね〜〜」





パツ臣「そう、そう、この口はね〜

美味しそうな、おまえを食べる為さぁ〜〜

赤ずきん、おまえを、喰ってやる〜〜

って、おい、なんの話〜〜」




隆A「「どうしたの？」」







パツ臣「イヤ……ちょっと、あっちのが

感染ったみたい……」




首をブルブル振りながら

縁側の下で、盥の破片で戦い合う……

弁慶と牛若丸……を見るパツ臣ちゃん……




直吉『とりゃ〜〜、見たか、弁慶〜〜

討ち取ったり〜〜』





直己「フッフフ〜〜まだまだぁ〜〜甘〜〜い

脇が空いておるわぁ〜〜」




『「とりゃ〜〜」』




チャンバラごっこを繰り広げる二人を見ながら





A「お二人は、幼な子みたいですね」





隆「だね〜〜」





ニカニカ笑いながら、パツ臣ちゃんが

淹れたお茶を手に取り

その手を右手で握りながら……

空いた片方の手で、お茶を一口飲むと……





隆「ありがとうパツ臣ちゃん……さぁ〜〜

食べたりしないから、隣に腰掛けてよ

俺のステキな狼さん」





両頬を赤く染めたパツ臣ちゃんは

若旦那の隣に腰掛けながら






パツ臣「やっぱり、狼さんなのかい？」





隆「こんな可愛い、狼さんがいるもんか……

ほんとの狼さんは、こっちだよ〜〜」




と、言ってパツ臣ちゃんの右手を包み込み……





隆「つぅ〜かまえたぁ〜〜」




パツ臣「えっ？」




隆「俺の可愛い、白うさぎさん……フフフッ」




パツ臣「////」




A「////」




直吉『こらぁ〜〜、俺の家で、いちゃいちゃするなぁ〜〜』




直己「////」




A「直己さん、鼻から血が〜〜」

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