傘屋の直吉と浪人直己…弐

濡れ鼠と女達……弐 ページ11

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びしょ濡れの二人が、部屋の隅っこで

コソコソ身体を拭きながら




直吉『なぁ〜、中々のものってさあ〜〜

どんなものなの〜かなぁ〜〜』

唇をアヒルにして、聞くと






直己「…………」

返事など無くとも、ドンドン話す

アヒルの子……アヒル口の男……





直吉『中々立派な物……とか？それとも

中々たいそうな物……とか？』








直己「(我、主人ながら……呆れ果てて……)」








直吉『中々素敵な持ち物ですね〜〜とか？

中々刺激的な物で、つい手が出ちゃうとか？』






(バカですか？…褌を、しめてから話しません)

頭を横に振りながら……

直己「………極めて…前向きですね。」







直吉『パツ臣ちゃんって、やっぱり

大人な姐さんだけあって……色々……』

と、言いかけたら……






「シューーン」

と、下駄が宙を舞い




「カツッ〜〜ン」といい音





傘屋の頭に直撃……





パツ臣「ごちゃごちゃ言ってないで

サッサと褌しねぇ〜〜か………あぁ〜〜」






直吉『痛っ〜〜』






直己「(クックックッ〜〜いい気味いい気味)」






パツ臣「だいたい、真昼間っから

びしょ濡れの男が、裸で抱き合ってる

なんて、そんないい仲だったとはね〜〜」





『「⁈」』





直吉『パツ臣ちゃん……いったい、いい仲って

誰と誰の事かなぁ〜〜(汗)』







パツ臣「直吉っつあんと直己さんに

決まってるじゃないかぁ〜〜」






『「……………ぅッぅ………えぇ〜〜キモッ」』

顔を、見合わせ……慌てた離れて

着替え出す二人に……






パツ臣「おや、違うのかい〜〜」

っと肩を揺らしながら

「クックックッ」と笑ったのは

意識を失ったAちゃんが

うなされたのを見たからかもしれない

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