90. 忘れられない人 ページ43
A ｢それはやっぱり、好きな人がいるとかじゃない？｣
TM ｢でも、自分が大企業の御曹司っていうのは幼い頃に自覚するはずでしょ？そうすれば将来も決まってるって思うのが普通じゃないかな｣
A ｢うーん、それでも諦められないとか？｣
TM ｢ルハンさんに直接聞いてみてよ｣
A ｢え？あ、うん。分かった｣
LH ｢で、わざわざ呼び出してまで聞きたいことは？｣
善は急げと、脅してカフェに呼び出しました
A ｢どうしても直接お聞きしたくて。この前聞き忘れてしまったので｣
LH ｢だから何を？｣
A ｢嘘をついてまで、私と結婚したくない理由は？｣
LH ｢は？｣
A ｢……。｣
LH ｢まさか…俺に惚れた？｣
A ｢は？ありえません｣
LH ｢ならどうして、今さらそんなことが気になる？｣
A ｢ふと思ったんです。幼い頃に自分の環境が人と違うことを理解していれば、将来は決まってると思うのが普通かと｣
テミンの受け売りだけど
A ｢それは結婚だって同じです。でもあなたは、自分が諦めるのではなく、両親に諦めさせることを考えてる。私も同意してるので人のこと言えませんが、何か特別な理由でもあるのかなって｣
LH ｢……｣
A ｢これは私の推測にすぎませんが、もしかして……忘れられない人がいるとか？｣
LH ｢！｣
A ｢え。当たりました？｣
LH ｢…いや｣
A ｢絶対そうじゃないですか！｣
LH ｢っ……忘れられないわけじゃなくて、俺の意思で忘れたくないんだ｣
A ｢やっぱり、そうでしたか｣
LH ｢でも無理なんだ｣
A ｢何がですか？｣
LH ｢俺が思い続けてるその子には、会えない…｣
A ｢え…？｣
LH ｢幼いときの記憶なんだよ。あれから15年以上も経ってるし、今どこにいるのかも分からない｣
A ｢それって、金持ちの力で探せないものなんですか？｣
LH ｢言い方悪いな。財閥の娘のお前に言われたくない｣
A ｢あ。｣
しまった、つい本音が
A ｢で、でも頼めばすぐ探せそうじゃないですか！｣
LH ｢確かに人を動かすのは簡単だ｣
A ｢すごい腹立つ言い方しますね｣
LH ｢実際そうだろ｣
A ｢まぁ｣
確かに、金さえあればいくらでも人を動かせる
それで私もあの人に何でも屋の仕事がバレたわけだし
LH ｢でも俺の記憶だけじゃ、手がかりが少なすぎる｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
