84. 保険？ ページ37
パーティーの翌日
一通り報告をするため、朝早くから店に行くと
CM ｢おー、A。早いな｣
A ｢おはよう。オッパこそ早いね｣
CM ｢まあ、色々やることがあってな｣
A ｢ふーん、そっか｣
CM ｢…それで？昨日のパーティーどうだった？｣
A ｢疲れた｣
CM ｢笑｣
A ｢笑いごとじゃないんだって！あ、ていうかオッパは知ってたの？｣
CM ｢…婚約者のことか？｣
A ｢そう！それ！｣
CM ｢あー、一応知ってはいた｣
A ｢なら教えてくれれば良かったのに…｣
CM ｢てっきり、ソンホさんから聞いてるものだと思ってたんだよ｣
A ｢あの人、私に何も大事なこと話してくれないの！その場で言われて、ほぼアドリブみたいな？こと多くて…｣
CM ｢まぁ、あの人はそういう人だよ｣
A ｢え？｣
CM ｢あ、いや。上に立つ人間は、ごく一部の人にしか全てを話さないということがよくある。例えば、自分が一番信頼する部下とかな｣
A ｢じゃあ、私は信頼されてないと…｣
CM ｢おそらく大体が、会社の機密情報だから、外部にバレてはいけないから、といったところが理由だろ。でも中にはな、レアケースもあるんだ｣
A ｢レアケース？｣
CM ｢信頼してるしてない関係なく、身内には心配をかけたくない、巻き込みたくないとか、特別な思いで言わないこともある｣
A ｢…ふーん｣
CM ｢まあ今回言わなかったのは、単純にAが嫌がると思ったからだろ。言い方は悪いが、大勢の前で宣言することでAが仕事を投げ出しにくくなる状況をつくった｣
A ｢投げ出すって、そんな無責任じゃないっつーの！｣
CM ｢きっと、保険だな｣
A ｢保険？｣
CM ｢幼い頃に少なからず会っていたなら、ある程度はAがどんな子なのか想像がつくはずだ。おまけにあの家で育ってるんだ、変に捻くれることはないだろ｣
A ｢私の性格とか知った上で、どうして保険を？冷たく当たってるから？｣
CM ｢これは俺の想像でしかないが、Aのことを信じていないわけではない。ただ万が一の事があったとき、Aが仕事を放棄すれば、それはユミョングループ、そしてチョン家にとって大きな損失になる可能性がある｣
CM ｢だから保険をかけた｣
A ｢万が一って、…そういう想像してるってことは、信頼されてないって言ってるようなものじゃん｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
