77. 芽生えた復讐心 ページ30
BoA ｢それにもしAに真実を話せば、あの子はきっと何がなんでも犯人を探し出す。そして、、、｣
YH ｢…復讐か。俺達がしようとしてることと同じことをAもするかもしれない｣
BoA ｢そうよ。だからせめて、Aには言わないまま犯人を捕まえる。そして、ヨンアの無念を晴らす。それが、私達があの二人にしてあげられる最大限のことだと思うから｣
YH ｢そうだな｣
A ｢っ……｣
もう、何もかもが衝撃でなんて言えばいいか分からない
バレないように部屋に戻って、しばらくは呆然としていた
けれど、冷静になればなるほど私の中に眠っていた黒い感情がどんどん出てきて、犯人への怒りがふつふつと湧いてきた
そして、それはやがて復讐心へと変わった
オンニ達はこうなることを分かって長い間私に罪悪感を抱きながらも黙っていてくれたのに、申し訳ない気持ちにもなった
でも、もう止められない
テミンの知り合いだというチャンミンオッパが経営する何でも屋で働くことになったのは、それからだった
これが、私が何でも屋で働き続ける理由
TM ｢A？｣
A ｢…ん？｣
TM ｢大丈夫？｣
A ｢、何が？｣
TM ｢いや、ボーっとしてたから｣
A ｢あ、…そう？｣
TM ｢うん｣
A ｢まあ大丈夫だよ。ちょっと考え事してただけ｣
TM ｢それならいいけど…｣
A ｢……｣
TM ｢…それにしても、大企業の娘の代わりってことは、Aもお嬢様だね！｣
A ｢あ。今、他人事だからって馬鹿にしたでしょ？｣
TM ｢してないよ。笑｣
A ｢したよ！｣
TM ｢してないって。笑｣
A ｢なら変なこと言わないで。私はあくまで身代わりだから。娘が帰ってくるまでの期間限定の｣
TM ｢それは分かってるよ。…でもさ、ちょっと心配なんだ｣
A ｢え？｣
TM ｢いくら会ったのが最近でも、依頼者はAの実の父親なわけでしょ？｣
A ｢…うん｣
TM ｢その父親の元に娘が戻ってきたとき。Aの気持ちが心配｣
A ｢…平気でしょ。むしろそれで関わらなくなら、せいせいする。今さら情なんてわかないよ｣
TM ｢でもさ、実際は分からないよ？今は大丈夫で、身代わりだとしても、一緒にいる時間が増えれば増えるほど、後々辛くなるんじゃない？｣
A ｢……私は、お母さんのことが聞き出せればそれでいい。今回の目的はそこだから｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
