76. 死の真相 ページ29
次の日…
TM ｢A｣
A ｢んー？｣
TM ｢昨日きた新しい依頼、ご指名されたんだって？｣
A ｢…あー、まぁ。強制だけどね｣
TM ｢なに、やりたくないの？｣
A ｢…できることなら？｣
TM ｢…ふーん。まあ毎度のこととはいえ、今回も危険な任務だし、嫌なら無理にやらなくてもいいと思うけど｣
A ｢……。｣
TM ｢…って、そういうわけにもいかないか｣
A ｢え？｣
TM ｢チャンミンヒョンから聞いたよ。依頼者のこと｣
A ｢あ…｣
TM ｢父親ならAのお母さんの死について何か知ってるかもしれない。だから真実に少しでも近づくためにこの依頼を引き受けたって｣
A ｢……｣
そろそろ話さないとだよね
どうして私が、何でも屋で働いているのか
3年前…
ある日の深夜、みんなが寝静まった頃に私はふと目が覚めた
一度起きてしまうと中々すぐには寝付けなくて、水を飲むために一階へ下りようとしたとき、途中で誰かが話す声が聞こえた
BoA ｢この前の、どうだった？｣
YH ｢いや…今回もダメだった｣
BoA ｢そっか…｣
YH ｢……｣
BoA ｢はぁ…いつになったらあの子の無念を晴らしてあげられるのかしら…｣
A ｢？｣
YH ｢…Aには、伝えなくていいのか？｣
BoA ｢本気でやりたいこと見つけて頑張ってる子に、今さら本当は病死じゃなかっただなんて言えないわよ……｣
A ｢！？｣
病死じゃなかった…？
それって、もしかして＿＿＿＿
BoA ｢ヨンアがそうだったように病気で辛い思いしてる人達の助けになりたいからって、必死に勉強して良い大学の医学部入って…なのに、本当は違ったなんて｣
やっぱり、お母さんのことだ
そんな…
YH ｢後悔してるか？Aに嘘ついたこと｣
BoA ｢真実を言わないことがあの子のためになると思ってた。でも今は、罪悪感でいっぱいよ…｣
YH ｢まぁ、幼いAに母親は本当は何者かに殺されたなんて言えるわけないよな…。そんなの、あまりにも酷だ｣
A ｢っ！！｣
今、なんて＿＿＿＿
お母さんが、誰かに殺された……？
YH ｢それにヨンアだって、そんなこと望まない。それを分かってたから、黙ってたんだろ？｣
BoA ｢あの子、意地っ張りだったからね。きっと、自分の娘なら尚更弱いとこなんか見せたくないって思うはず｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2021年10月1日 2時
