33. 早退 ページ33
当日…
私はいつもより、大人っぽいオシャレな格好をして会社へ向かった
会社に入ると、周りからの視線が突き刺さる
A ｢気にしない気にしない…｣
ガチャ
A ｢おはようございます｣
BK ｢A、おは…！？どうした、その格好？｣
A ｢え？あ、いや。色々あって、今日はこの格好に｣
BK ｢色々？｣
A ｢そう、色々｣
BK ｢？｣
A ｢部長、新契約することになった会社とその内容をまとめておきました。目を通しておいて頂けますか？｣
LH ｢分かった。そこに置いといてくれ｣
A ｢はい。…あ、部長｣
LH ｢なんだ？｣
A ｢今日なんですけど、途中で早退させていただきたくて…｣
LH ｢早退？｣
A ｢はい。どうしても外せない大事な用事が入ってしまいまして｣
LH ｢？…何時頃だ？｣
A ｢4時半です｣
LH ｢4時半か…。分かった｣
A ｢本当ですか！？｣
LH ｢ただし、嘘をついたら許さない｣
A ｢嘘？｣
LH ｢早退したい理由を深く聞くつもりはない。だがもし、例えばデートがあるから早退するとか、そんなサボりの理由で帰るようなら俺はお前を許さない｣
A ｢あー、ご安心ください。悲しいことに、彼氏と呼べる人はいないので｣
LH ｢そうか。それは残念だったな｣
A ｢ｲﾗｯ…｣
LH ｢でも、安心した｣
A ｢え？｣
LH ｢俺はお前を信じる｣
A ｢！…はい、信じてください！｣
そして、4時半
A ｢それじゃあ、お先失礼します！｣
BK ｢あ、おう！お疲れ様｣
A ｢お疲れ！｣
ガチャ バタン
A ｢よし！｣
会社を出ると、ジェノが通う高校に向かった
移動中、セフンとジェミンに連絡を送る
学校に着くと
SE ｢ヌナ！｣
A ｢セフン！あ、大学大丈夫？それに、バイトも｣
SE ｢講義の時間をずらして調節しました。バイトは元々休みだったので｣
A ｢そっか、ありがとう｣
SE ｢今、ジェミン君が校内での様子を教えてくれてます。部活が終わったみたいなので、そろそろ来るかもしれません｣
A ｢もう来るの？｣
SE ｢はい。あ、来ます！｣
A ｢え！？ど、どうしよう！｣
SE ｢1回、あそこに隠れましょう！｣
セフンは慌てる私の手を掴み、木陰に隠れた
SE ｢ヌナ、落ち着いてください。門の前で堂々と立っていれば大丈夫です！｣
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作者名：NATZU | 作成日時：2020年12月8日 4時
