ほのぼの…か? ページ22
次の日私は少しわだかまりを感じつつ鈴さんの元へと向かった。
「鈴さん、是は焼き菓子作りですか?」
「ええ、花乃ちゃんと望さんと作るんだけど、上橋さんもどう?」
「いいえ、仕事中なので見ています。そう云えば雅人さんと義忠さんは?」
「雅人は出掛けたわ。義忠さんは仕事よ。ところで他の探偵さん達はどちらに?」
少し疑い合っているで気がする。
「出かけました。」
実は半分は本当で半分は嘘。家が広いので国木田さんだけ出かけ、太宰さんは調べ物だそうだ。何か意味深だと内心おかしく思った。
「上橋さんは今お幾つ?」
と望さんが沈黙に耐えきれなかったのか口を開いた。
「16ですよ。」
「いいな〜。青春。私なんて女子高だったし、親も厳しかったからアルバイトなんてさせて貰えなかったもの。」
「そうですか?でも、私も私的な事情が在りますから。」私はくすりと笑って云った。
「お姉さん、してきなじじょうってなあに?」
「こら、花乃そんな事訊きません。」
花乃さんは言葉の意味が分かってないんだろうな。かわいい。
「いいんですよ。曰く武装探偵社は異能力を持つ者の集まり…って聞いたこと無いですか?」
吃驚したように鈴さんと望さんが此方を向く。其処には少し恐怖が在るようにみえた。
「と、ところで上橋さんって好きな人とか居ないんですか?」
望さんそうきます?
「居ません。個人的にさんは望さんと雅人さんの出会いの方が気になりますよ?」
私達は…と話しにくそうな雰囲気が在ったけれど鈴さんの要望もあり話してくれた。
「私達は大学同士の食事会で知りあったんですよ。あの人ああ見えて迷信めいたモノとか信じちゃうんです。其れが可愛らしいと云うか、こう何と云うか傍で支えたいなって思う感じで。そうそう、つい最近も願いの叶う井戸に行くとか云って出かけていました。」
わあ甘い。訊いておいて何だけど惚気だ。
「そう云えば、主人と義忠さんは同じ大学でした。と云っても主人は経営学で義忠さんは理系の…理工学だったかしら。」と付け加えた。
其処で私は席を立ち太宰さんにことの次第を報告した。昔友達が軽く訊けばある程度答えてくれるって云ってた事が分かった。
(ってか此の友達なんで知ってるんだろう?)
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作者名:れな | 作成日時:2017年1月13日 0時