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葛葉「やっぱり顔色悪いな」
本社で配信をしていた葛葉
火畜達からの連絡ですぐさま家に帰ってきた。
ベッドに眠るシェリーの顔を見ると
顔色の悪さに顔を顰める。
すると、葛葉の気配に気付いたのか
シェリーがもぞもぞ動き出した。
『…ん』
葛葉「起こしたか?」
『…(サーシャがいる…夢?)』
まだ夢の中なのか葛葉が幻覚に見える。
『(夢…ならいいかな…)』
夢だと思い込みベッドに座る葛葉に抱き着く。
葛葉「珍しいな、
そっちから抱きついてくんの」
その声に目が覚めたのか
飛び起きたが目が回りベッドに倒れ込んだ。
葛葉「おい、無理すんな」
『ごめんね…』
葛葉「何でシェリーが謝んだよ」
『迷惑ばっかりかけてるから』
葛葉「それを言うなら俺だってそうだろ」
『それは違うよ…
サーシャはいつも私を助けてくれる
なのに私は迷惑ばっかりかけて…困らせて…』
葛葉「(ネガティブな思考がいつもより酷いな…)」
ネガティブな事が増えたのも、
シェリーの天使の力が衰えている証拠。
それを観察しながら葛葉は考える。
生まれた時から天使の力を持っていた
シェリーは吸血鬼としての本能の制御が難しい。
それを葛葉は嫌という程小さい頃から見てきた。
葛葉「シェリー」
『なに?』
葛葉「最後に輸血パック飲んだのいつだ?」
『…』
葛葉「シェリア」
『あの事件の後…』
葛葉「数は?」
『1つだけ』
葛葉は眉間に皺を寄せる。
信じられないという顔をしている。
葛葉と違ってシェリーは天使の力の影響で
本能と理性の制御の訓練を殆どしていない。
それなのにこんなに長く本能が
暴走していないのは普通ではありえない。
葛葉「今の気分は?」
『…ちょっと』
葛葉「(飢餓状態ではなさそうだな
でも、いつまで持つか)」
今日の1曲
エンヴィーベイビー/叶
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作者名:なつ. | 作成日時:2021年7月11日 1時