すれ違い4 ページ8
Aside
目が覚めると知らない場所にいた。
自分が何処にいるのか分からなくて焦って見回すと、ベットのすぐ下に亮くんを発見。
嗚呼、昨日みんなで遊んで亮くんの家に戻ってそのまま寝ちゃったんだ、、、ってぼーっと思い出して起き上がる。
亮くんは昔から寝てても気配に敏感だったから、そーっとベットから降りる。
とりあえずトイレに入ってお母さんにLINEを入れておく。
昔から亮くんと一緒って言うと、本当に心配しない。
昨日も、と言うか今回岡崎に帰るのも亮くんやみんなと会うからって話していたし、連絡は来てなかった。
昔からの信用というか、信頼というか、亮くんパワー凄いって思いながら、化粧を落とさずに寝た背徳感に襲われる。
手を洗ってそのまま洗面所へお邪魔する。
思ったより肌の調子は悪くなさそうだけど、一刻も早く化粧を落としたい。
昨日もシャワー借りたし、そんなことで亮くん怒らないだろうしってお風呂を借りる。
シャワーから上がって、洗面所にある服を適当に借りる。
裾とか、丈とか、長いのは仕方がない。
ぐるぐるまくって、リビングに戻る。
結構音立ててるけど、全然起きてこない亮くん。
シャワーも借りたし、適当に朝ごはんでも作ろうって怒らないのをいいことに冷蔵庫を除いて料理していく。
朝はいつも和食。
実家でもそうだったし、一人暮らし始めてからも和食。
卵焼きをくるっと綺麗に丸められた時に亮くんが焦った顔で起きてきた。
びっくりしてたみたいだけど、にやにやと機嫌良さそうにしてるから勝手にシャワー借りたのも、料理してるのも、怒ってはいなさそう。
だって昔から私に対して怒ったことないし。
寝起きで見慣れない寝癖と、少し伸びた髭。
亮くんに髭が生えてるのわかった時、すっごいびっくりしたっけ。
亮くんの髭、久しぶりに見るなぁって私もにやにやしちゃう。
昨日もやもやした気持ちはすーっと消えていって、私の手元を見ている亮くんは、ちゃんと本当に隣にいる。
まだご飯が炊けるまで数分あって、その間に亮くんは洗面所からドライヤーを持ってきて、髪を乾かしてくれた。
幼稚園か、小学生の低学年の頃、お泊まりした時に髪を乾かしてくれたっけ。
それで、妹のまいちゃんも私も乾かしてって騒いで、それからしばらく家でずっと亮くんが髪乾かすことになったって言ってた。
あの時のあったかい手は、変わらない。
104人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リンダ | 作成日時:2022年5月24日 15時