青いコンパス2 (ページ7)

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すれ違い3 ページ7

Aの背中を押して、自分の車へ乗せる。

Aはやっぱり酔っているのか、ただ楽しいだけか、助手席の窓から上機嫌にみんなに手を振っていて、可愛い。

みんなに見られてたまるかって、ハイハイ出すよー！なんて適当に声をかけてスタジオの駐車場を抜けた。

手を振りかえしているみんなが見えなくなって、ふぅと息を吐くと運転している俺の方を見て、「「今日とっても楽しかったね！」」って声を掛けてきたから、やっと落ち着いた。

ぽつぽつと今日のことを話しながら、気になっていた暗い顔の経緯を聞いてみると、それとなくはぐらかされてしまって真相を聞くことは出来なかった。

ただ、満足そうに今日の出来事を振り返るAに無理に聞くのも良くないだろうと流して家へ向かう。

朝は泊まらないで帰ると言っていたAは、やっぱり酔っ払っていたのか、荷物を取りに俺の家に着いて、俺が飲み物を用意してる間にソファの上で寝込んでしまって、起こすのが可哀想なのと、まだ一緒にいれる嬉しさが勝って、そっと起こさない様にベットへ運んだ。

流石に一緒には寝れないけど、ベットのすぐ下に来客用の布団を敷いて寝る。

今日の為にやらなきゃいけない編集やそれ以外の仕事も終わらせてあったから、別段やることはない。

いつも通りお風呂に入って、寝る準備を終えた俺は布団に入ったんだけど、全然寝れない。

いつもより早い時間に布団に入っているからじゃなく、隣にAがいるから。

昔はこんなことなかった。

好きだったけど、隣で寝るなんてことよくあったからか、こんな緊張とか、寝れないとかはなかった。

そろりと上半身を起こして、寝ているAを覗く。

少し口が空いていて、昔からそうだったなぁって眺める。

結局飽きずに見続けちゃって、気付けばいつも布団に入る時間はとっくに過ぎていて、仕方なく布団に入り込んで目を閉じた。

ーーーーー

目覚ましはかけてなかったけど、いつもと同じくらいに目が覚める。

なんで布団に寝てるんだっけってボーッとしながら見回して、ベットにAの姿がないことに気付いて目が覚める。

焦ってリビングへ行くと、頭にタオルを巻いたAがびっくりした顔でこっちを見ていて、安心して長いため息を吐いた。

「「亮くん、おはよう。ごめんね、寝ちゃったみたいで結局泊まっちゃったね(笑)」」

頬を染めて話すAは本当に可愛くて、昨日起こさなかった俺、グッジョブ！って思った。