東京のおともだち5 ページ31
トミーにお店を予約してもらって、時間とか場所とかをやり取りして、当日は巻きで仕事がんばるぞーって意気込み。
別に、ちょうど髪も伸びて来てたしってご飯の前の週に美容室に行ったり、そわそわして過ごしてた。
から、当日りょうくんから来たLINEにびっくり。
【今日Aとご飯行くんだよね?多分、Aは2人に秘密にしてると思うんだけど、今日A誕生日なんだ。当日で申し訳ないんだけど、ちょっとお祝いしてあげてくれない?あ、あとちゃんと日付変わる前にホテルに帰してね。】
、、、え? 誕生日?
あの、生まれた日のこと?
Aちゃんが生まれた日なの、今日って。
家でひとりなのに、わたわたしちゃって積み上げてた雑誌とか漫画とかが倒れて尚更焦る。
バタバタしてる所にスマホが鳴って飛び上がる。
名前も見ないで電話に出るとトミーで、りょうくんはトミーにも同じ内容を送ったのか、どうする?って連絡。
トミーはお店に電話して、ケーキとかそう言うのやってくれるか相談してくれるみたいで、プレゼントはお互い用意することになった。
午後から事務所で打ち合わせと、雑誌の取材が入ってて、その後トミーの家で一本撮影する予定。
午前中は空いてるし、今から準備すれば2時間くらいはフラつける。
元々今日のためにスケジュール調整してたとは言え、降って沸いたプレゼント企画に大慌てで準備して、家を飛び出した。
女性が貰って喜ぶプレゼントって何?
Aちゃんが欲しいものって何??
普段は絶対入らない女性物のお店におずおずと入る。目線は気になるけど、気にしてもいられない。
だってタイムリミットはあと1時間半しかないし。
ウロウロみて回って、どうしようもなくて寄ったセレクトショップでキーケースを発見した。
あんまり女性ぽくなくて、でも触るといい感じ。
お店のお姉さんが日本ではあまり出回ってないんですけど、◯◯っていう有名ブランドで、って説明してくれる。
ブランドとか普段からあんまり気にしないし、聞いてもピンとこないけど、プレゼントでって言ったら女性にプレゼントするってバレたみたいで(なんで分かったんだろう?)、ペアで持つのも素敵ですよっていろんな種類を出して来てくれた。
ペアって、流石に彼氏でもないのにキモくない?って思いながら気づいたら購入してて、別々に包装して貰う。
俺の分はリュックに適当に押し込んで、Aちゃんにあげる方の袋は大切に持つ。
104人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リンダ | 作成日時:2022年5月24日 15時