空白を取り戻そう5 ページ4
美味しいご飯を食べてお腹は満たされてるけど、さっき萎んだ気持ちが戻ってきて、ぼーっとする。
昔は、知らない高校の話も笑ってそれ何?って聞けてたのに、今はできないのなんでだろう?
ふと気付いたら、隣にしばゆーが真っ赤な顔で座っていて、びっくりしながら、そう言えば亮くんと同じくらいしばゆーもお酒得意じゃなかったな、って。
「「しばゆー大丈夫?顔真っ赤だよ?(笑)」」
柴「大丈夫〜〜」
ふにゃふにゃしながら、私の小指の爪をぐいぐい擦ってくる。
酔っ払ってるな〜って思ったけど、アレ、しばゆーはシラフでもこういうことするなぁって、どっちだろう?って下を向いてるしばゆーの顔を覗く。
あんまり顔が見えなくて、やっぱり酔っ払ってるのかな、水、水って思ったら、テーブルにペタンと顔をつけてこっちを見て
柴「Aこそ大丈夫?」って。
何のことだか分からなくて、首を傾げる。
柴「なんか、不安そうな顔。」って言うからハッとする。
しばゆーは昔から変だけど、人の気持ちに敏感で、周りをよく見てる人だった。
亮くんが変なヤツって紹介して会ったしばゆーとは、最初はみんなと遊ぶ時に会うくらいだったけど、難しい大学に挑戦するって聞いて、受験シーズンはよく連絡をとってた。
先に大学進学が決まっていたから、力になれればって放課後ファミレスで勉強教えたりしてて、亮くんを除けば1番仲良くしていたかも知れない。
勉強の合間にお互いのこと話したり、恋愛のことも。
あの当時、私は亮くんの事が好きで、好きな人いるみたいなふんわりした話をした事があった様な気がする。
と言っても、恋愛についてはしばゆーの惚気を聞くことが多かったし、私の話を聞いてその相手が亮くんだって気付いてたかは分からない。
「「ふふ、大丈夫。しばゆーは変わらんね。ずっと、そのままでいてね。」」
伝わったのか分からないけど、しばゆーは照れた様に笑った。
その後は今の奥さんとの馴れ初めとか、子供の写真とか見せてもらって、結婚したことは知ってて、お祝いしてなかったから今度是非会わせてねってお願いした。
1時間半くらい経ったところで、お昼にバイバイしたはずの夢くんが来て、今度はちゃんとみんなで盛り上がった。
亮くんは隣にいないけど、しばゆーと夢くんに挟まれてお酒を飲んで、楽しい時間を過ごした。
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作者名:リンダ | 作成日時:2022年5月24日 15時