夏の魔法３

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最近はやっと、
流星、俳優の小瀧くんとええ雰囲気やし、
俺としては、一息ついたとこやったのに。


また新たなるライバル出現やん。









夜には、
他の協賛企業の人らも合わせて、
みんなで飲みに行くことに。


「美味い海鮮丼の店があんだよ。
智洋に食べさせてやりたくてさ」


北海道出身の松岡さんが、
案内してくれた店は、

落ち着いた大人の雰囲気の店でさ。

味も天下一品。


神ちゃん、しきりに、

美味しい、美味しいて、

幸せそうに笑うてる。


確かに、
今まで食べた海鮮丼の中でも、
ぶっちぎりで一位。

俺がこの笑顔を引き出したいのに。


二次会の居酒屋あたりから、
酔っ払いも、ちらほら。

さっきの海鮮料亭では、
神ちゃんの隣をがっちりキープしとった松岡さんやけど、

女性二人に囲まれて、
他力本願やけど、
引き離すことに成功。


酔った勢いなんか、
女性陣も大胆やねん。


「松岡さん、アラフォーでしょ。
なんで結婚しないんですか？
独身主義？」


「モテて仕方ないでしょ？」


俺も気になること、斬り込みまくり。

松岡さん、適当に受け流すかと思いきや。


「学生結婚して失敗してんだよ。
バツイチ。
んで、東京時代に、
人生最大級の失恋しちまってよ。
離婚よりダメージくらって、
傷心で北海道に出戻り」


あっさり、個人情報漏らしまくってる。


「離婚よりダメージ大きい、
最大級の失恋って、
お付き合い長かったんですか？」


「いや。
単なる俺の一方通行」


そこで、松岡さん、
少し離れた席の神ちゃんに、
ふっと視線を送った。


やっぱりなって、思いのがでかい。


松岡さん、神ちゃんに本気やってんな。


そら、神ちゃんみたいな可愛ええ子、
みんな惚れてまうに決まってるけど。


「松岡さん振るなんて、どんな人！」


「初恋の男が忘れられねーんだってさ」


ため息ついた松岡さんが、
次に見たのは、俺。


視線がぶつかる。

それは一瞬やったけど。


気付いてはったんかもしらん。

俺らの関係。









お開きになったのは深夜前。

松岡さんと神ちゃんと３人で、
掴まりそうにない、
タクシーを待ってる。


延々と続く、
渋滞のヘッドライトの波。

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