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「うん？」
「秋になっても。
しげにかかった魔法、解かんといて」
「え？」
「言うてたやろ？
夏祭りの日、しげさ。
高校の校庭で。
夏の魔法にかけられたって。
忘れてんならええねんけど」
最後、保険かけるみたいな気弱な言い方してしもた。
沈黙が流れる。
たったの数秒なんやろうけど、
一生続くような気がした。
「・・・神ちゃんは、
俺が忘れとってもええん？」
まさか、質問で返されるなんて思ってなかった。
椅子に座ったまんま、
見上げると、
俺を見下ろしてるしげと、
ばっちり目が合うてしまう。
逸らされへん、真っ直ぐな深い瞳。
「・・・や、や」
なんでやろう。
いろんな感情が、喉んとこでつかえて、
上手く、声が出されへん。
「ん？」
しげの声も視線も優しいから余計に・・・
「い、や、や。
秋になっても、
ずっと俺の一番そばにおって欲しい」
振り絞った勇気。
ほんまはもっともっと伝えたい言葉がある。
「神ちゃん・・・」
「好き。
ずっと、しげが好きで、
もうずっと、ほんまにずっと」
「・・・ん」
「・・・まだ、間に合う？」
聞いた声は途切れがちやったけど・・・
気付いたら、
ふわっと、
日向のようなしげの匂いがして。
ぎゅっと抱きしめられてんのに気付いた。
「間に合うに決まってるやん。
神ちゃんが付き合うって言ってくれるまで、
何年でも待つつもりやった」
「ほんまに？」
びっくりして、
腕の中で見上げたら、
照れ笑いのしげと目が合って。
俺もめちゃくちゃ照れてきた。
「秋だけやなくて。
冬も春も、次の夏も、
その先もずっとずっと。
俺のそばにおって？
神ちゃんが誰より大切やから」
返事したいのに、
声にならんかって、
何度もうなづく。
俺の頬を包み込む、
あったかい手のひら。
「神ちゃん、大好きやで」
ラムネが弾けたような笑顔と、
甘ったるい声。
それから。
団子味のキスをひとつ。
そんな俺らを、
窓から流れ込む、
秋風が包み込んでた。
夏の魔物にかけられた、
恋の魔法は、
何度季節が変わっても、
解けることない・・・
終わり。
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fool(プロフ) - みさきさん» みさきさ〜ん💕ありがとうございます💕赤くんもきっと出世してくれたはず😁きっと緑くんの片想いが長かった分、赤くんが甘やかしまくってると思われます❗️ (2022年8月2日 21時) (
レス) @page49 id: 5c064e1f18 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 今日久しぶりに覗いたら一気に読み進んでしまいました！この後の幸せな同棲やら赤くんは出世したのかやらとてもとても気になりはじめました笑またいつか見れる日を夢見て… (2022年8月2日 19時) (レス) @page49 id: 06114767fe (このIDを非表示/違反報告)
tm(プロフ) - ↓foolさんの素敵な世界観に勝手に脚色して妄想広げてしまってすみません💦foolさんの描く世界観全てが大大大好きですッ！！過去現在を行き来するのも、今までと違った構成でとても楽しかったです。夏の魔法、素敵な作品をありがとうございました(*^^*) (2021年10月31日 22時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
tm(プロフ) - ピュアも捨てきれず、酔うと淳太に"恋したら別れが来ると思ったから、神ちゃんとは親友でいたかってん。そやのに俺神ちゃんの事失くしてもうた。夏祭りに戻りたい"って実はメソメソしてて(本人記憶なし)、見兼ねた淳太が縁故入社させたという裏設定妄想してます笑 (2021年10月31日 22時) (レス) id: f17f5e7704 (このIDを非表示/違反報告)
7129(プロフ) - 赤くんがここでも真面目病を紹介してて沼ってたら、幸せな怒涛の更新！既に夏の魔法ロス！高校時代の緑くんの儚さと切なさと一途な思い！しかも社会人になってからは赤くんが必死に追いかけるという最高のシチュ！最後のの祝福に高校時代の緑くんが報われたよう！最高！ (2021年10月30日 23時) (レス) @page50 id: f02b13cfb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool
| 作成日時：2021年9月21日 12時
