【鬼滅の刃】春夏秋冬＿＿恋焦がれ【短編集】

分からない【嘴平 伊之助】 ページ8

※片想い







ムカつく。





俺の目の前で親し気に話すAと紋治郎。





その2人を見ていると、何故かは分からないが胸の奥がズキズキ痛んで苦しい。





Aと2人きりの時は別に苦しくなんかないのに…





むしろ、Aと居る時は権八郎や紋逸と一緒に居る時よりもホワホワするし、甘くて温かい…









伊之助「あああぁぁぁぁっ"！何なんだよ一体？！イライラする！」







善逸「うわぁっ！！びっくりした！どうしたんだよいきなり？！」








伊之助「うるせぇ！！」





善逸「理不尽！！」









俺のイライラが頂点に達し怒鳴り声をあげる。そうすると紋逸が口を挟んできやがって俺は紋逸に怒鳴り掛かった。




それを見かねたAと紋治郎は心配そうな表情を浮かべた此方へとやって来て





Aは俯けていた俺の顔を覗きこむ。






やめろよ…そんな顔で見てくんなよ。







俺が口を開こうとした時、






炭治郎「あ、A！髪に枯葉がついてるよ。今取るからじっとして…「触るな」？！」ﾊﾞｯ






権八郎がAの髪に触れそうになり俺は権八郎の腕を掴みそれを制する。






何をやってるんだ俺。






顔が段々と赤く染まっていき、この場の空気に耐えきれなくなった俺はAの手を引き走り出した。





呆然とする炭治郎と善逸を置いて









『ちょ、ちょっと伊之助！どうしたの？』




意味が分からない、と言いたそうな表情で俺を見つめるA。





まだ、ズキズキと痛む胸






『本当にどうした…んむっ…！』






この気持ちの正体が知りたくて、Aの唇を強引に奪う





ｸﾁｭ ﾋﾟﾁｬと辺りには水音が響き





暫く舌を絡めた後、Aから離れ俺はAの目をしっかりと見つめる





『い、伊之助ぇ…？』




頬をほんのり色付かせ弱々しい声をあげるA。そんなお前に俺は





伊之助「好きだ」





『へっ…？』






伊之助「この気持ちが何なのかやっと分かった。俺はお前の事が好きだ」





こう言い放つ。





伊之助「俺だけのものになれ。他の奴とは喋るな」





困惑し戸惑うAに、もう一度口付けを落とす。





伊之助「お前に拒否権なんてねぇ」






『私は…』








辺り一面、赤く色付いた紅葉に囲まれ


伊之助の言葉と共に紅葉のように赤らむ
Aの頬



この気持ちに気付いた伊之助が
もう彼女を手離す事はない

苦痛に歪む【累】→←こんなにも…【不死川 実弥】

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